養蚕復活に必要なのは「桑畑と…」 昆虫食の研究に勤しむ23歳 『養父市地域おこし協力隊』の展望 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

養蚕復活に必要なのは「桑畑と…」 昆虫食の研究に勤しむ23歳 『養父市地域おこし協力隊』の展望

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 劇作家・演出家の平田オリザさんがパーソナリティを務めるラジオ番組(ラジオ関西『平田オリザの舞台は但馬』)に、養父市地域おこし協力隊の石井明日香さんが出演。養父市大屋町にある「かいこの里」を拠点に活動する自身の野望について語った。

養父市地域おこし協力隊の石井明日香さん

 石井さんは愛知県出身の23歳。幼少時代から昆虫が大好きで、なかでも「蚕」に興味を持ち、進学した青森の大学では昆虫食の研究室に在籍した。大学院に進むか就職するか迷っていたときに「養父市養蚕プロジェクト推進事業」を知り応募。晴れて採用となり、2022年4月から兵庫県養父市に移住した。

 古くから養蚕が盛んだった但馬。養父市大屋町生まれの上垣守国(うえがきもりくに)は江戸時代中期から後期にかけて活躍した養蚕家で、日本の養蚕技術を飛躍的に向上させた人物として知られている。享和3年(1803年)に出版した養蚕の技術書『養蚕秘録』はフランス語やイタリア語にも翻訳され、オランダ商館の医師であるシーボルトも母国へ持ち帰っている。

 明治時代、かつて兵庫県北東部の出石郡に存在した但東町では優良な繭を使った絹織物が発展。以降、日本の輸出産業を支えてきた。しかし、昭和20年代半ばになるとナイロンをはじめとした新素材が普及し、但馬の養蚕は廃れてしまった。

 そんな但馬養蚕業の文化・伝統と日本全国で受け継がれてきた養蚕技術を生かし、時代に合った形で養蚕業の復活を図ろうと立ち上がったのが「養父市養蚕プロジェクト推進事業」だ。石井さんは地域おこし協力隊としてこのプロジェクトに参加。「昆虫食」としての蚕にも注目し、現在は「かいこの里交流施設」を拠点に活動している。

 石井さんによると、蚕はタンパク質が豊富なうえに栄養価が高い。さらに、蚕が食べる桑の葉には血糖値を下げる成分が多く含まれているため、蚕にも同様の効果が期待されているそう。繭から糸を取ったあとのサナギを食用にするのだが、抵抗がある場合はまずは家畜のエサから実用化をめざしたいとのこと。

 終始、蚕のことを「お蚕さん」と呼び、“お蚕愛”たっぷりに話す石井さんに平田さんも興味津々。「糸も取れて食せるとなると一石二鳥。サステナブルですね。養蚕の復活に向けて必要なものは?」との問いに、石井さんは「桑畑! それから、養蚕が休みとなる冬の間のお仕事ですね」と即答。

「次世代に養蚕の技術と蚕の魅力を伝えたい」と意気込む石井さんに、平田さんは「かつてない、あまりに可能性が広がるゲストでした」とエールを送った。

養父市地域おこし協力隊の石井明日香さん(写真中央)、番組パーソナリティの平田オリザ(同右)、田名部真理(同左)

※ラジオ関西『平田オリザの舞台は但馬』2023年1月19日放送回より

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『平田オリザの舞台は但馬』
放送日時:毎週木曜日 13:00~13:25
放送局:ラジオ関西(AM 558khz / FM 91.1mhz)
パーソナリティー:平田オリザ、田名部真理
メール:oriza@jocr.jp

『ラジコ』では放送後1週間はタイムフリーでの聴取が可能。番組では、平田オリザさんが、ともにパーソナリティーを務める田名部真理さんと、これまでの自身の話しや演劇界への思い、移住拠点となっている兵庫・豊岡、但馬地域について、トークを進めていく。

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