医療機器・特殊ゴムなどの素材メーカー、山本化学工業株式会社(本社:大阪市)が、「医療機関従事者向け最優先供給用マスクカバー/ビオラ3」を開発し、22日、動画共有サイトユーチューブによる発表会見を行った。
新型コロナウイルス感染拡大により、医療現場最前線で深刻なマスク不足に陥っているなか、その改善のため、同社が3月31日に一般消費者用に緊急開発した「顔への密着性を高めた積極的自己防衛マスクカバー」というマスク型製品、『BIOLA(ビオラ)1・2』。発売と同時に10万枚超えの予約があった商品には、多くの医療機関から問い合わせが同社に寄せられたという。
その意見を踏まえ、医療関係者最優先で先行モデルを改良。従来製品は黒色であったが医療現場での使用ということで表側は白色、内側は薄い水色の製品が完成した。同社の熟練の技術により、伸縮性のあるラバーに、吸水率0.5パーセントの「PEファインファイバー」を表面に加工。繰り返し洗って使用でき、医療現場で求められるスピードに対応。相対的に乾燥時間が短い特徴を持つ改良を加えている。圧倒的に不足している「医療用高機能マスク(N95型)や工事現場防塵マスク」と併用することによりウイルスの侵入を防ぐ効果がさらに期待できるそうだ。
今回発売された「BIOLA(ビオラ)3」の使用素材は前モデルの「1・2」と同じ0.5ミリメートルの超薄厚の独立気泡構造のウェットスーツ素材がベース。顔の形にフィットし、マスクの上下左右の隙間を少なくしてウイルス、細菌等の侵入を軽減。皮脂や水分を吸収しないので手洗い後、陰干しして何度でも使用でき、アルコールや次亜塩素酸等の消毒液による除菌にも耐えるのでより清潔に使用可能とのこと。
「ビオラ3」は医療現場に最優先で届けたいという同社の想いから、個人向けの販売については6月ごろを予定している。
前モデル同様、従来型のマスクとは全く異なるコンセプトの製品であるが、医療従事者向けに緊急的に開発されたということで、耐用性は前モデルの1.5~2倍。通気口も6か所から10か所に増やし、過酷な医療作業の妨げにならないよう改良されている。吸水率の低いPEファインファイバー糸を使用することにより、洗った後の速乾性も緊急性を要する医療現場向けとなっている。
山本化学工業の山本富造社長はラジオ関西の取材に応じ、「前回の記者発表のあと、本当に医療機関の方々からたくさんの問い合わせをいただいた。各方面からの意見と真剣に向き合い、勤務、看護、治療、施術中ずっとマスクをし続けなければならない最前線での現場の声に応えて、少しでも装用感(特に耳の後ろなどの痛みの軽減)を良くして差し上げたかった。本来ならばN95型のような高機能医療用マスクは実際に患者を診ている医者や看護師に優先的に届けられなければならないのだが、そうもいかない現状だ。医療従事者が感染してしまうことにより引き起こされる『医療崩壊』を、この日本ではなんとしても食い止めたい」と語った。
【販売について】
4月23日から5月15日まで「医療従事者最優先」で提供。医療法人名での申し込みのみ山本化学工業ホームページから受付。患者数を多く受け入れているベッド数300床以上の医療機関を最優先する。医療法人向け特別価格は5月15日まで。「ビオラ3マスクカバー(白色)」1枚3,300円(税込)を2,000円(税込)。最低発注ロット各サイズ(M・L)ともに250枚から。上記期間内は緊急対応および少しでも早く手元に届くよう簡易包装で出荷される。(※サーバーへのアクセス集中によりネット注文ができない場合FAXでも注文可能。山本化学工業株式会社岡山工場FAX 0868-38-6092)
山本化学工業株式会社ホームページ
http://www.yamamoto-bio.com/