ドイツから合成麻薬・MDMAなど(末端価格・計900万円相当)を密輸したとして、兵庫県警は20日までに麻薬取締法違反(密輸入)容疑で、いずれもベトナム国籍で兵庫県尼崎市在住の配管工の男(25)と、同県姫路市の会社員の女(25)を逮捕、送検した。
2人は2022年11月4日、ドイツ・フランクフルト空港から国際郵便で合成麻薬MDMA984錠(496.21グラム)と、結晶状の麻薬ケタミン101.48グラムを輸入した疑いが持たれている。
男は技能実習生として来日、女は特定技能資格を取得していた。いずれも「知らない」、「関係ない」と容疑を否認しているという。
これらの麻薬は同年11月8日、成田空港に届いた段ボール箱に隠されていたのを、税関のエックス線検査で発見した。MDMAは小分けにしてプロテインの袋に入れられていた。また、ケタミンはアルミホイルで包まれ、オートミールのパッケージに隠されていた。
宛先が男の住所だったことから、同年11月17日に兵庫県警が男の自宅を家宅捜索したところ、大麻やMDMA、ケタミンが見つかったため、麻薬取締法違反の現行犯(所持)で逮捕していた。その際に、女の関与も浮上した。捜査関係者によると、日本在住のベトナム人コミュニテイーで、SNSを通じ密売が横行しているとみられるという。
2人は麻薬取締法違反罪で起訴された。また神戸税関は20日、2人を関税法違反容疑で神戸地検に告発した。