兵庫県加東市発注の市庁舎改修工事をめぐり、入札に関する情報を業者に漏らしたとして、兵庫県警は26日、官製談合防止法違反と公契約関係競売入札妨害容疑で、同市の元管財課長の男A(55)を逮捕した。
また、この工事を落札した市内の土木建築会社役員の男B(48)も公契約関係競売入札妨害容疑で逮捕した。
Aは加東市で公共工事の入札や契約をつかさどる管財課長だった2020年6月、旧滝野庁舎改修工事の「制限付き一般競争入札」について、 入札時にこれを下回ると失格となる入札金額の下限、最低制限価格(7486万円) を、知人であるBに漏らした疑いが持たれている。兵庫県警は2人の認否を明らかにしていない。
この入札には4社が参加し、Bの会社が最低制限価格を11万円上回る7497万円で落札した。Aは現在、同市生活環境課長に就いている。
最低制限価格は、それよりも落札価格が下がると、資材の品質や作業員の労働条件の悪化、下請け企業の赤字などのリスクを回避するために設けられたもの。
捜査関係者によると、Bの会社は、加東市発注の公園整備工事など複数の事業を受注していたという。兵庫県警は情報漏えいに至った経緯や、見返りとしての金品授受の有無を調べる。
岩根正・加東市長は25日、2006年の平成の大合併で発足以来の不祥事であることに触れ、「常に「公平・公正」を心掛け、市政運営に取り組むよう伝えてきた職員がこのような容疑で逮捕されたことは痛恨の極み。深くお詫び申し上げる」と話した。