連続起業家兼アーティストのCEOセオとフリーアナウンサー田中大貴がパーソナリティを務める『セケンテー/ぼくらは囚われない』(ラジオ関西 毎週木曜午後8時30分~)。1月5日の放送では、サンフレッチェ広島の中心選手として活躍し、現在はクラブ・リレーションズ・マネージャー(C.R.M)を務める森崎和幸さんがゲストに登場。サッカークラブの経営ついて語った。(※「崎」=たつさき)
1981年、広島市生まれの森崎さんはサンフレッチェ広島ユースを経て、2000年にサンフレッチェ広島へ入団。3度のリーグ優勝に貢献し、広島一筋のキャリアを送ってきた。2018年に現役を引退し、現在はC.R.Mとしてチームとクラブの橋渡し的な役割を担っている。パートナー企業、サポーター、行政機関、メディアなどのさまざまな場とクラブをつなぐ対外活動も行っている森﨑さんに、クラブチームの運営について尋ねた。
「昔はサッカー(プレー)を見せるだけで人がついてきてくれた」と、自身の選手時代を振り返りながら話を切り出した森崎さん。「今は『サッカー×音楽』とか、いろいろなものとコラボしていかないと、なかなか(人はついてきてはくれない)。スポーツだけだと厳しくなってきています」と現況を説明した。
「現役のころからいろいろなことを発信したり、コンテンツを作っていないと引退した後も大変なのでは?」いうセオからの質問には、「『競技に打ち込んでくれ』というのが僕らの時代だったけど、今は自分の価値を上げる方法は競技だけじゃないですからね」と回答。チームとして選手のセカンドキャリアをサポートする体制までは整えられていないことを明かし、「どうやって自己プロデュースをするのかが重要になってきている」と率直な思いを吐露した。
番組では、具体的なセカンドキャリアについて語り合う場面も。セオは、引退後の代表的な進路のひとつでもある「解説者」というポジションについて、「(キャリアが)上の方にどんどん引退していただかないと、席も空かないし後継が育たない」と発言。「そろそろフレッシュな人たちに変わっていかないと……」と、番組タイトル通りの『とらわれない』意見をぶつけた。
「新陳代謝って難しいですよね」と口にした田中は、「発信する場所はできてきている。そこから発信することもそれはそれでプラスだと思う」と続け、その成功例として元Jリーガーの那須大亮氏の名前を挙げた。
那須氏は現役時代からYouTubeチャンネルを開設し活動。引退後は、アスリートYouTuberとしてセカンドキャリアをスタートさせた。現役中にYouTubeを始めたことに対して、当初は否定的な意見も多く、‟YouTubeと本業であるサッカー、どちらも絶対に失敗できない状況“がプレッシャーにもなったはずだが、現在は43.6万人(2023年1月時点)のチャンネル登録者数を誇る人気YouTuberとなった。この動画チャンネルはサッカーの認知度の引き上げにも貢献し、結果的に成功だったといえる。
「選手たちが自分のメディアを持っていると、スポンサーの売り方も変わっていくんじゃないですか?」という田中の問いかけに対し、森崎さんは「間違いなくプラスに働く」と即答。そのうえで、「クラブ側もそこを評価してあげられるようになればいい。そうすれば、競技以外にもクラブに貢献できることがたくさんあるから。クラブ側がそう提示してあげられたらいいなと思います」と付け加え、「やっぱり選手はどんどん表に出ていかないと」と、セルフブランディングの重要性についても主張した。