使用済み油「廃食用油」を白いちご栽培に活用 農業をフックに“リサイクル”と“循環型社会”を結ぶ取り組み | ラジトピ ラジオ関西トピックス

使用済み油「廃食用油」を白いちご栽培に活用 農業をフックに“リサイクル”と“循環型社会”を結ぶ取り組み

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 兵庫県尼崎市にある『浜田化学株式会社』は、廃油再生処理事業を展開する。主に食品を扱うコンビニやスーパー・飲食店で揚げ物に使用されたのち廃棄される「廃食用油」を、軽油の代替燃料や家畜のエサ、ハンドソープの原料へと再生し、新たな価値を生み出している。

 そんな同社が力を入れて取り組んでいるのが『白いちご』の栽培。今回、気象予報士・防災士の正木明がパーソナリティーを務めるラジオ番組にて、副社長兼総務部長・岡野輝平さんがスタジオにフレッシュな白いちごを持参し詳しい話を聞かせてくれた。

糖度の高さが自慢の『白いちご』

“廃油再生処理”と“いちご栽培”、一見関わりがないようにも思える。正木明がこの2つの関係性について聞いたところ、「実は当社は農業事業も行なっており、リサイクル事業の一環として手がけています」と岡野さんは回答した。

「白いちごは、5年前から兵庫県洲本市の自社所有の廃校の校庭で栽培を行い、2年程前に販売も開始しました。きっかけは洲本市とバイオ燃料の地域循環の取り組みを行なっている『菜の花プロジェクト』に参加したこと。その際に廃校活用の話があったことに加え、得意先であった大阪の黒門市場のお客様から白イチゴの栽培の話が出たことで“農業×廃食用油×リサイクル”の実験的な農業事業をスタートしました」(岡野さん)

 いちご栽培においてリサイクルされた廃食用油は、肥料(廃食用油に含まれる天かす)・ボイラーの燃料という形で利用されている。近代では一般的に廃食用油がリサイクルされたものは「燃料」にするイメージが強いが、農業肥料や家畜飼料として昔から利用されてきたと岡野さんは言う。

リサイクルされた廃食用油をいちご栽培に活用

 同社の『白いちご栽培』は、取り組みを認められたことで洲本市のふるさと納税に選ばれた実績もある。

 また、銀座のマリオットホテルや帝国ホテルにも卸しているとのこと。同社グループの飲食店ではスイーツとして使用されている。ただし“食品ロス対策”として栽培数を抑え、店頭販売は行わずネット販売限定としているそうだ。

食品ロスも視野に入れた栽培計画がなされる

 岡野さんに今後のビジョンを聞いた。

「今後は自社所有の廃校を宿泊できるようにしたり、体育館も整備しスポーツ合宿としても活用できるよう改装の計画も視野に入れています。栽培体験も計画中です」(岡野さん)

☆☆☆☆

 循環型社会と環境適合型社会の実現に向け、さまざまな取り組みを見せる同社の動きにこれからも注目したい。

※『正木明の地球にいいこと』
(ラジオ関西、月曜午後1時~。アシスタント:荻野恵美子)2022年12月13日放送回より

白いちご栽培をフックに、廃校活用の計画も積極的に行われている

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