広島県福山市のシンボルである福山城の築城400年記念事業に寄与したとして、このたび、歌手の杉ひろしさんらに福山市から感謝状が贈られた。同市出身の杉さんは、昨年10月に神辺文化会館大ホール(同市神辺町)で同記念事業協賛のチャリティーコンサートを開催。収益金を同市に寄付していた。
贈呈式は2月28日に福山市役所で行われ、枝廣直幹市長から杉さんに感謝状が手渡された。贈呈式で枝廣市長は、「盛り上がってきたこの事業に満足するだけはなく、さらに発展させていきたい」とコメント。「(自分が)子どものころは(福山は)大変にぎやかだったが、最近はめっきりさびしくなってきている。皆さんの協力でよみがえった城を、もっともっと大切にしていきたい」と語り、「福山駅前の再開発も必要だが、荒っぽいことをすると無秩序な街になってしまう。そこは、行政による都市計画が重要」と、福山城や街への思いを明かした。
枝廣市長はさらに、「福山の夜の街のにぎわいを創出するため、『ナイトタイムエコノミー』と銘打ち、夜の8~9時くらいまで楽しんでもらい、そのまま宿泊してもらえればなお良しと考えている。現在、福山城の月見櫓(やぐら)に宿泊できる『城泊』を企画中だ」と、今後の構想も披露。「築城400年を機会に選定された福山ゆかりの先人29人に続くべく、これからも『人物』が傑出し続ける魅力的な街『福山市』を作っていかなければならない」と述べた。
今回感謝状を受け取った杉さんは、2020年には福山を舞台にした曲「福山・恋歌/小さなクラブ」をリリースしており、チャリティコンサートでも、福山市や広島県内各地出身の歌手、特別ゲストの歌手・山本リンダさんらとともに観客を大いに盛り上げた。コンサートには、杉さんが現在住まいし、歌手活動の拠点としている奈良県からも、多くのファンや応援団が駆けつけたという。
歌手活動に留まらず、地元局の番組『杉ひろしの詩が人生RB』(FMふくやま)のほか、『杉ひろしの詩が人生』(ラジオ関西)などラジオでも活躍している杉さん。「自称『福山の観光大使』として、これからももっと地元・福山に元気を届けて恩返しをしていきたい」と、笑顔で決意を表明した。
(取材・文・写真=黒川良彦)
【ラジオ関西『杉ひろしの詩が人生』 HP】
【FMふくやま HP】
【福山城築城400年記念事業 公式サイト】
【福山ゆかりの先人(福山市 HPより)】
※コンサートはすでに終了しています。