4月に入り、これまであまり着てこなかったスーツを着て働いているという新入社員もいるだろう。柄や色など様々だが、新入社員がスーツを着用するときに特に気を付けたいポイントがあるという。オーダーメイドスーツの販売を行う『石田洋服店』(神戸市東灘区・六甲アイランド)の代表・石田原弘さんに話を聞いた。
スーツ生地の柄としてはやはり無地が無難だということだが、ヘリンボーンなどの織り柄もアリとのこと。ヘリンボーンとは直訳すると「ニシンの骨」という意味。山形からできた織り柄で、一見無地だが、見る角度や方向によってはほんのりと柄があるのが分かる。慣れてきたらおとなしめのチェックもおすすめだそう。セットアップ使用だけでなく、プライベートではジャケット単体にチノやデニムパンツと合わせることで“きれいめスタイル”が完成する。
新入社員は“避けたほうがいい柄”はあるのだろうか?
「新入社員が着用する柄として、ストライプはあまりおすすめできません。ストライプ幅が広すぎると目立ちすぎますし、もし連日同じものを着るとなると『昨日と同じものを着ている』と、一目でわかってしまいます。逆に幅が狭すぎると地味になり、若々しさに欠けますね。それでもストライプが欲しいというのであれば、1センチから2センチほどの幅を選ぶといいでしょう」(石田原さん)
就職活動のときにはリクルートスーツを着用することが多いと思うが、このリクルートスーツをビジネスシーンで用いるのはどうなのだろうか?
石田原さんいわく「日本のリクルートスーツは“真っ黒”のものが多く、喪服を着ているように誤解されることもあるのでビジネスには向かない」とのこと。ちなみに海外では葬式で黒を着る風習がなく、海外メーカーのスーツで使われる黒はオシャレとして着る用に色合いが調整されている。日本とは違い、よく見ると“真っ黒”ではないそうだ。
したがって就職活動で活躍した黒スーツは冠婚葬祭用に回して、若手が仕事で使うならネイビーやグレー、その中間色のブルーグレーがいいとのこと。また、スーツをそろえる際の注意点についても石田原さんは語った。
「スーツ生地は水分に弱く、湿気を含んだまま着ると擦れやすい股部分や脇部分は破れたりすることも。連続着用がわかりにくいシンプルカラーを選んだとしても、コンディションが悪い状態で使用頻度が高ければ傷みは早くなります。ですから『オールシーズンで1着だけ』というのは避けましょう。“春夏もの・秋冬もの”と分けて最低2着ずつ用意し、着回す方が長持ちします」(石田原さん)