バナナの上にさまざまな種類のアイスやカラフルなチョコレートスプレーが飾られている「バナナスプリット」をご存じですか? もともとはアメリカの伝統スイーツとして、アメリカンフードが食べられるレストラン「アメリカンダイナー」を中心に提供されていたメニューですが、いま“映えスイーツ”として日本でブームが起こっています。東京で発生したこのトレンド、大阪をはじめとする各地にもじわじわ浸透してきているそう。
実際にバナナスプリットを販売している『RICH GARDEN 梅田中崎町店』(大阪市北区)の店主・ヒノイさんに詳しい話を聞きました。
――いつ頃からバナナスプリットを提供し始めたのですか?
コロナ禍によって飲食店が国から自粛要請を受けた頃ですね。当店は2016年にオープンし、お肉やアルコールメニューも提供していたのですがコロナの影響でアルコールが提供できなくなったためカフェとして業態変更しました。カフェメニューを模索する中で「何かポップで可愛いものはないか」と探していたところ「バナナスプリットはどうでしょう?」と従業員からの提案があり、今に至ります。
――従業員の方はなぜバナナスプリットを提案したのだと思いますか?
スタッフが全員女性ということもあり、新メニューを考案するときは何が注目を集めているのか彼女たちによく聞いているんです。バナナスプリットを提案してくれたのは、昔のアメリカ映画や音楽が好きないわゆる“カルチャー女子”でした。もしかしたら映画でバナナスプリットが提供されるシーンを見て教えてくれたのかもしれません。
――人気のほどは?
バナナスプリットはノーマル・チョコ・キャラメリゼの3種類をご用意していまして、15時以降は10代〜20代の女性たちがこれらをめがけて多数来店されますね! ここ最近の“レトロアメリカンブーム”がバナナスプリットに注目を集めるきっかけになっているのだと思いますが、当店はそもそもアメリカンダイナーをテーマにしていたので、特に「流行に乗った」という感覚はなく「たまたま時代にハマった」といったところでしょうか(笑)。
――来客の流れに変化はありましたか?
バナナスプリットを出し始めてから忙しくなりました。10代・20代の女性層も視野に入れながら“カラフルで可愛いもの”を意識しメニュー展開していることも理由のひとつかと。他によくオーダーいただくのは、バナナスプリットにこぶしサイズのハンバーガーとフライドポテトが付いた「AMERICAN SET」ですね。中々のボリュームですが、皆さんペロリと平らげていらっしゃいます。
――AMERICAN SETが人気の理由は?
「ちょっとだけハンバーガーが食べたい」「ちょっとだけポテトを食べたい」「ちょっとだけスイーツを食べたい」という、“ちょっと食べ”がワンプレートで実現するのがウケたのかも。量だけではなくハンバーガーのパティは牛100パーセント、バンズはベーカリーに発注した当店オリジナルを使用しているので、味にも満足いただけているのではないでしょうか。