インターネットが発達した今の時代。企業も、ホームページなどのウェブツールを通した情報発信がより大切になってきている。いま、ウェブサイトに求められるのはどのような要素なのか。ホームページ制作やウェブマーケティングを手掛ける株式会社ネクストページ(神戸市中央区)、代表取締役の藤中元博さんに話を聞いた。
藤中さん自身は、かつてフリーランスで働いていたそう。現在は、自分の実力を試すためにと2006年に立ち上げた同社で、企業や大学のウェブ展開を支えている。「ネクストページ」という社名には、先進的なホームページを提供する、次のビジネスの可能性を顧客に感じてもらうとの意味を込めたという。
神戸、東京、京都を拠点に、従業員は40人ほど(パート含む)。若いクリエイターが活躍する傾向にある業界、社員の平均年齢はおおよそ30歳とのこと。
同社の社員紹介ページを見ても自由な社風が伝わってくる。
近年で大きな変化が訪れたのは2019年以降、新型コロナウイルスが流行しだしてから。企業の間で、他に予算を使うところがないためウェブ関係に力を入れようとする動きや、国の補助金を受けてホームページをリニューアルする動きが活発になり、同社の受注も増えたそう。藤中さんは「一時のもので、昨年は、反動で売り上げが伸びずに苦戦した部分もあった」と語るが、現在はまた、急ぎの要件は断らざるを得ないほど、企業・大学の組織情報の開示・ブランディングが継続的に発生していると話す。
それらの情報をユーザーに届けるにあたり、最近とくに重視されるのは「スマホでの見やすさ」と、藤中さんは説明する。片手で触って簡単に使えるかどうかといった点が大事だという。
さらに、時流を読んだ提案に加えて、顧客の困りごとを包括的にカバー・サポートしていくためには、マーケティングや広告などの方面にも手を伸ばすことが必要と分析している。同社でも、メイン事業に加えてそれらの分野に取り組んでいく意志を明かした。
そんなウェブサイト制作の仕事に向いている人のタイプを聞くと、藤中さんは「やはりものづくりが好きな人」と回答。続いて、顧客の要望に応じた「調べものなどの作業が苦にならない人」も挙げた。また、「(ウェブ関連の仕事は)毎回のように、違う業態の顧客に話を聞いて形にしていく点や、自由度が高くテレワークしやすい、(物理的に)危険な作業もないことからいい仕事だと思っています」と、実感をもって語った。
業界の将来を見据えつつ、「この仕事の良さや楽しさをより多くの人に伝えていきたい」と抱負を述べた藤中さん。今後についてはまず、社員がより働きやすい環境を整えていきたいとのこと。「2、3月の繁忙期でも、終業があまり遅くならないようにできれば。物価高で大変だと思うので給料面もよくしていきたい」と自社へのまなざしも垣間見せた。
※ラジオ関西『こうべしんきん三上公也の企業訪問』2023年3月15日放送回より