統一地方選挙・後半戦の市区町村長、市区町村議選挙などが23日に行われ、泉房穂市長(59)の退任表明に伴う明石市長選挙は、泉市長が後継指名した元市議の丸谷聡子氏(59)が7万7017票と、対立候補に2倍以上の得票で圧勝した。丸谷氏は同日午前、明石市役所で当選証書を受け取った。
8万票近い得票数に「予想していなかった」と驚きの表情の丸谷氏は、当選から一夜明けた23日午前、明石市役所で泉市長とともに会見し「私に未来の明石を託して下さった市民の皆さんを裏切らないよう頑張りたい」と抱負を語り、 選挙戦で単に聞こえの良いことだけを訴えてきたのでないと述べ、実行可能な政策を確実に進めるという決意を新たにした。
丸谷氏は、泉市政が進めた子育て支援策の継続のほか、地域経済活性化のための「市民全員サポート券」の発行に加え、タウンミーティングの毎月開催などを公約に挙げ、泉市長が3期12年間で進めてきた「子どもを軸とした街づくり」の継続を前面に打ち出している。
そして、議会との関係について丸谷氏は、「議論を尽くしたい」と話し、改めて、首長と議会議員を住民が直接選挙で選ぶ「二元代表制」を尊重した議会のあり方を強調した。
泉市長は対立する自民、公明会派との確執が取りざたされ、市長退任表明の伏線となった暴言問題につながった。
明石市議会30人の市議とともに膝を交え、「是々非々で議論を進めることが正常な議会」と述べる丸谷氏は、議会と首長は、互いがチェックし合うことを理想的な姿とする泉市長の考えと同様、
多数派や過半数という”数の論理”にこだわらない政治がしたいとの意思を示した。トップダウンではなくボトムアップで物事を進めるという考え方とともに、こうした議会対応も重要視する姿勢を示した。
丸谷氏が大きな公約に挙げた「タウンミーティング」の開催については、社会的問題を解決するための「ソーシャルイノベーション」を専門分野に、大学院で博士号を取得したこともあり、一方通行ではない、対話を重視した合意形成を図りたいとした。そのために市役所内での専門部署の立ち上げも構想に入れていることを明かした。