タピオカドリンクの本場といえば、台湾。その台湾で現在、ナンバーワンの人気となっているお店が「幸福堂 XING FU TANG(シンフータン)」だという。日本では「こうふくどう」と読まれることが多いが、正式な読み方は「シンフータン」だ。その神戸元町店が、10月25日にオープンした。
幸福堂は、2018年1月に台湾で創業。世界20か国に店舗があるが、日本では2019年7月、東京・原宿に直営店を出したのが最初。続いて、9月に大阪・アメリカ村へ関西初出店。日本3店舗目となる神戸元町店では、連日、500杯近くが売れるなど、行列が絶えない。
JR元町駅東口から歩いて2分。ひときわモダンな見た目の店内に入ると、白で統一された内装と、オープンキッチンが目に飛び込んでくる。
メニューのうち、最も人気なのが、『黒糖タピオカミルク(700円)』で、来店した7割近くの人が注文するという。黒糖を混ぜ込み風味をつけたうえで、さらにキャラメリゼした生タピオカに、氷とミルク、クリームチーズを注ぐだけのシンプルなもの。最後に黒糖を炙って香ばしさをプラスする。カップの側面にわざとソースをつけることで、ミルクを注いだ時に黒糖の茶色と、ミルクの白色が幻想的なマーブル模様を創り出す。ほんのり温かいカップを持ち、「18回」混ぜてから飲むと、ほんのり温かいタピオカと冷たいミルクが口の中で混ざり合う。100%店内で作ったタピオカは、「弾力のあるわらび餅」のような、固すぎない食感が特徴。シロップなど、人工的な甘味が加わっていないので、大人の甘さが楽しめる一杯に仕上がっている。
他にも、混ぜると、カップの中でラメが舞い踊る『ゼリーソーダ』など、13種類のドリンクと3種類のソフトクリームが用意されている。
もうひとつ、面白い仕掛けが、“おみくじ”だ。ドリンク等を注文すると、店舗の中にあるおみくじを1回引くことができる。恋愛にまつわるくじで、101種類を用意。「幸福堂」の名の通り、「吉」以上しかないそうだが、それでも、たくさんの種類がある。台湾では、失恋したら、幸福堂でくじを引き、SNSにUPするというのがブームになっているそうだ。ちなみに、くじに書いてある日本語は、中国語を直訳したものという。そのため、ところどころ意味が通じにくい表現もあるが、クスリと笑えて楽しい。
ところで、昨今、大ブームとなっているタピオカドリンクだが、その原料や作り方はご存じだろうか。まず、タピオカの原料は、キャッサバというイモの一種。このキャッサバを白い粉末状にしたものを、一定の分量の水でこねるのだが、温度や湿度によって微調整が必要だという。この時点ではまだ無色透明なタピオカだが、幸福堂では黒糖や紅麹などを混ぜ込んで黒色やピンク色のタピオカを作る。着色料や保存料は使用していないそうだ。そうしたタピオカのペーストを、専用の機械で丸く仕上げてから茹でると、プルプルとした食感の“生タピオカ”に仕上がるのだが、この手間暇がかかる工程のほとんどを、お店で見ることができるようになっている。