これはアート?デザイン? 見る人が決める! 「デザインに恋したアート・アートに嫉妬したデザイン」 大阪中之島美術館 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

これはアート?デザイン? 見る人が決める! 「デザインに恋したアート・アートに嫉妬したデザイン」 大阪中之島美術館

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 会場に並ぶポスターや絵画、椅子にテレビなどなど。果たしてこれはデザインなのか、アートなのか?デザインとアートの境界や「重なりしろ」を、考えながら展示を巡る「デザインに恋したアート・アートに嫉妬したデザイン」展が、大阪中之島美術館で開催されている。2023年6月18日(日)まで。

展示風景 手前:豊口克平「スポークチェア」1963年 再製作:1972年 武蔵野美術大学 美術館・図書館蔵
展示風景 手前:豊口克平「スポークチェア」1963年 再製作:1972年 武蔵野美術大学 美術館・図書館蔵

 デザインという言葉が身近になったのは戦後のこと。半世紀以上が経った今、その領域を大きく広げている。また、美術からアートへと言葉が変化するのに伴い、アートは従来の世界を越えた表現を展開している。

 大阪中之島美術館は30数年前に構想がスタートした当時からデザインとアートを2つの柱に据えており、今展では戦後の1950年代から2010年代までの多彩なデザイナーやアーティストの成果を追いながら、デザインとアートの関係に注目した。

 会場に並ぶのは、70人の作家の作品110点。作者とタイトルは示されているが、解説はない。見る人が、これはアートなのかデザインなのか、作品と対話をしながら考える。

剣持勇「ラウンジチェア」 1958年(発売:1960年 再制作:1972年)  武蔵野美術大学 美術館・図書館蔵
剣持勇「ラウンジチェア」 1958年(発売:1960年 再制作:1972年)  武蔵野美術大学 美術館・図書館蔵
ソニー株式会社「トランジスタテレビ」 1960年 発売:1959年 大阪市立科学館蔵
ソニー株式会社「トランジスタテレビ/TV8-301J」 1960年 発売:1959年 大阪市立科学館蔵

 例えば、椅子。「単なる椅子」にしか見えない人がいる一方で、美術館に所蔵されている作品だと気づく人もいる。デザインが話題になった携帯電話は、今ではアートと捉える人もいる。見る人が、デザインなのかアートなのか、その度合いをその場で答えながら、展示を巡っていく。

「デザイン←→アート」の度合いを示すゲージ 鑑賞者が作品ごとに回答する
「デザイン←→アート」の度合いを示すゲージ 鑑賞者が作品ごとに回答する
薮内佐斗司「犬モ歩ケバ」1989年 兵庫県立博物館蔵
藪内佐斗司「犬モ歩ケバ」1989年 兵庫県立博物館蔵 (c)YABUUCHI Satoshi
森村泰昌「肖像(ファン・ゴッホ)」1985年 大阪中之島美術館蔵
森村泰昌「肖像(ファン・ゴッホ)」1985年 大阪中之島美術館蔵
パラモデル「トミ串」2007年 和歌山県立近代美術館蔵 (c)paramodel
パラモデル「トミ串」2007年 和歌山県立近代美術館蔵 (c)paramodel

 そして最後の部屋で、「答え合わせ」のように、その時の来場者がどのように感じたのか、結果を知る仕組みになっている。

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