島根県から北へ約50キロメートル。日本海に鎮座するのが「神々の住む島」と呼ばれ、パワースポットとしても名高い隠岐島(おきのしま)です。180ほどの島からなり、人が住んでいるのは島後・西ノ島・中ノ島・知夫里島の4つ。火山噴火と荒波・冬の北風によってできた島で、「古事記」では日本で3番目に生まれた島とも言われています。後鳥羽上皇や後醍醐天皇が“島流し”にあった場所として知る人も多いのでは。
隠岐島は「日本ジオパーク」に登録されているとともに「ユネスコ世界ジオパーク」にも認定されています。ジオパークとは、地球の活動がよくわかる地質や景観が守られている地域を指し、また自然だけでなく独自の文化を守りながら教育や持続可能な開発に活用されている地域・取り組みのこと。たとえば島後には樹齢数百年〜二千年近くの杉の木や神社が多数存在します。
西ノ島の海岸沿いには70階建ての高層ビルに匹敵する高さの絶壁「摩天崖」、知夫里島には火山の断面を見られる「赤壁」があります。いずれも人力では到底なせぬ“自然の力”による造形で、これでもかと言わんばかりの迫力が我々の心を揺さぶります。放牧が盛んなため、牧草地では牛馬がのびのびと草をはむのどかな一面も。
さて、気候も良くなり各種アクテビィティが盛んになりつつある隠岐島。海辺で人気なのはシーカヤック。美しい海にゆったりとカヤックを浮かべ、非日常のひとときを体験できます。4島でレンタルできる電動クロスバイクはスリル満点。思いのほかスピードが出るため乗車時の安全はしっかりと確保することが必要です。ダイビングや釣りも盛んで、最近はキャンプ人口が増加中とのこと。
島ならではの楽しみはまだまだあります。それは日本海であがる魚介類。サザエやバイ貝・岩ノリなどが豊富に獲れ、5月頃までは大ぶりで新鮮な岩ガキを目当てに来訪する人も多数。生のままレモンをギュッと絞って食べるのがおすすめだそう。数ある刺身のなかで必食なのは名物“イカ刺し”。冬にはカニが登場し、年間を通して海の幸を堪能できます。
5月4日・5日は、島後で『しゃくなげ祭り』が開催され、とくに見どころなのは4日に行われる“牛突き”。巨体の雄牛同士がぶつかり合う島の伝統文化で、800年の歴史を持つとされています。13日には毎年多くの地元民や観光客が参加する『しげさ祭りパレード』を開催。エントリー者が“隠岐しげさ節”を踊り、かなりの盛り上がりを見せる一大イベントです。浴衣がスタンダードスタイルですが、着ぐるみなど思い思いの衣装で参加する人も。
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近年はIターンする人も多く、新しい取り組みに挑戦し活気あふれる隠岐島。これから迎えるベストシーズンから目が離せませんね!