サッカーのINAC神戸レオネッサは、4月29日の「2022-23 Yogibo WEリーグ」第15節マイナビ仙台レディース戦で3-0と勝利し、勝点を33に伸ばした。リーグ戦無敗をキープした2位のINAC神戸は、同日に勝利した首位の三菱重工浦和レッズレディース(勝点36)をぴったりと追走している。
この試合のDAZN中継で解説も担当した元なでしこジャパン(日本女子代表)DF川上直子氏は、自らがパーソナリティーを務めるラジオ番組で、INAC神戸の戦いぶりを振り返り、中盤の選手たちのプレーを評価。そして、なでしこジャパンで活躍中の右サイドのスピードスターを絶賛した。
史上初のJ1とWEリーグのダブルヘッダーとなった同日のノエビアスタジアム神戸。J1のヴィッセル神戸がデーゲームで勝利し、その3時間後に行われたINAC神戸のホームゲームでも、地元ファン・サポーターの前でイレブンは躍動した。開始10分、エースFW田中美南選手がダイビングヘッドで先制点を奪うと、37分には先発復帰したMF伊藤美紀選手が左足でゴールを決め、リードを広げる。2-0で迎えた後半、マイナビ仙台の反撃にあうも、GK山下杏也加選手をはじめ粘り強く守ると、終盤の88分、田中選手がこの日2点目となる右足でのシュートで、勝負を決めた。
1ゴール1アシストで勝利に貢献した伊藤選手は、「今日(マイナビ仙台戦)は前から行って、勝つだけでなく、得点をたくさん取ろうというのは、チームのなかですごく意識として掲げていた」と試合を回顧。また、「それ(マイナビ仙台戦の戦い)を何試合も続けないと優勝に手が届かない。1試合1試合の積み重ねが大事。1個1個の目の前の相手にどれだけ1対1で戦えるか、走れるかというのは、(勝利への)すごく大事なポイントになる」と、今回の戦いの継続が重要と述べ、すぐに先を見据えていた。
さらに、伊藤選手は「3000人以上入ってくださったなか、特にゴール裏のホーム感がすごかった。CKのときもすごく声援だったり手拍子だったり、今までになかった雰囲気をすごく感じられた。それもあって、私自身、前に前に走れたというところはある。お客さん、ファン・サポーターの方が作ってくれた雰囲気が、今日は勝利につながったんじゃないかなと思うので、本当に感謝している」と、ダブルヘッダーを観戦、応援したファン・サポーターへ謝意を示していた。
川上氏はこの試合について、ラジオ番組『カンピオーネ!レオネッサ!!』(ラジオ関西)のなかで、脇阪麗奈選手、成宮唯選手、伊藤選手といった経験豊富なタレントが並ぶINAC神戸の中盤にスポットライトを当て、次のように評価した。
「中盤はみんな簡単にできていて、ボールを失うことが少なかった」
「ボールを持った人もそうだが、周りの人がいいサポートに入れていた。その陰にはしっかり足が動かせていたというのがあり、運動量でも相手を上回るものがあった。こぼれ球をすごく拾えていたので、そこから右サイドに展開できたり、いろんなプレーに広がっていったと思う」
また、川上氏はこの試合のMIPに、DF守屋都弥選手をピックアップ。「2得点の田中美南選手もと思ったが、今回は守屋選手(のプレー)がキレキレだった。前に対峙している選手に対して、『私、この選手に勝てる』と、1個目のプレーで自信を持っていたよう。だから終始勝負に行っていた。前節・大宮アルディージャVENTUS戦では前に鮫島彩選手がいて、行ったらいいなと思うときになんか躊躇しているところがあったが、今回のマイナビ仙台戦ではもうイケイケ。スピードがあるので、(外に)出そうなボールにも追いついてクロスを上げていたし、めちゃくちゃ身体が動いていたと思う。輝いていたし、文句なし」と、なでしこジャパンでも期待が高まる右サイドのスピードスターを絶賛していた。
INAC神戸のWEリーグの次節は、5月3日(水・祝)、11位のアルビレックス新潟レディースと、アウェイの新潟市陸上競技場で対戦する。キックオフ予定は午後1時。