サッカー・J1のヴィッセル神戸は8日、大阪市此花区(舞洲)のヤンマー桜グラウンドで、セレッソ大阪とトレーニングマッチを行った。一般に公開されたこの一戦では、MFセルジ・サンペール選手が先発し、約60分間プレー。昨年3月に右ひざに負った大けがからの完全復活を目指す背番号6が、サポーターの前で元気な姿を見せた。
4月3日に行われたJリーグYBCルヴァンカップのグループステージ第3節で、386日ぶりに公式戦復帰を果たし、途中出場で33分間プレーしたサンペール選手。今回のトレーニングマッチでは自身にとって「今シーズン一番長い時間」ピッチで走り回り、中盤で舵取り役を担った。主力級が多数そろったセレッソの前からの圧力に苦戦する場面も散見されたが、持ち味のキープ力やパスセンスを披露。ただし、チームとしては後半途中までに大量7失点する展開だったこともあり、試合後の表情に明るさはなかった。
それでも、試合後、メディアの取材に応じたサンペール選手は、状態について、「悪くはない。もっとよくならなくてはいけないが、60分プレーできたことに関しては満足している。45分以上プレーするのはかなり久しぶりだった。(今回の試合では)サッカーを楽しむことに集中した」とコメント。一歩ずつ着実に完全復活への階段をのぼっているスペイン人ボランチは、「ここからはちょっとずつ自分のレベルを上げていければ。長いけがからの復帰になるが、自分としてもできる限りのことをやって、激しい練習を積み重ねて、状況が好転することを今は待っている状況だ」と、前を向いていた。
ヴィッセルのファン・サポーターからは復帰を待ち望む声も多数あがるなど、チームでも人気の1人である、サンペール選手。「自分が来てからもう4年になるが、お返ししきれないほどのたくさんの愛情を(ファン・サポーターから)見せてもらっているので、可能な限りその愛情をピッチの中で返すことができればと思って毎日(トレーニングを)やっている」と、ピッチでの活躍を誓っていた。
この日、試合を見守っていた吉田孝行監督は「攻撃のところに関してよさは十分だせていた」と、サンペール選手を評価。一方、「守備は、組織として自分たちのやり方でみると、まだまだ足りないのと、自分のところに入ったときに入れ替わる場面などもあったので、そこはもうちょっと頑張らないといけないのかなと(思う)」と述べていた。