示談金、交通事故賠償金550万円着服 業務上横領罪に問われた弁護士に有罪判決 神戸地裁 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

示談金、交通事故賠償金550万円着服 業務上横領罪に問われた弁護士に有罪判決 神戸地裁

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 示談交渉で依頼人に支払う和解金など計約550万円を着服したとして、業務上横領罪に問われた兵庫県弁護士会所属の弁護士の男(59・兵庫県芦屋市)に神戸地裁は9日、懲役3年、執行猶予5年(求刑・懲役3年)の判決を言い渡した。

神戸地裁

 神戸地裁は判決で、「経営不振のため預かり金の流用をするようになり、弁護士と依頼者の信任関係を破った犯行で、和解金の受領を依頼者に隠した手口は悪質」と指摘した。執行猶予を付けた理由として、全額の被害弁償を済ませたことを挙げた。

 男は2019年9月~2021年12月、依頼された相続財産の分割に関する手続きで、相手方の弁護士から自身の金融機関の口座に振り込まれた和解金から計約400万円を自身の金融機関口座に入金し着服。また別の依頼人宛てに保険会社から支払われた交通事故の損害賠償金計約150万円も着服したとされる。兵庫県弁護士会が2022年、神戸地検に刑事告発し、特別刑事部が同年12月までに逮捕、起訴した。

兵庫県弁護士会(神戸市中央区)

 判決を受け、兵庫県弁護士会は「弁護士は基本的人権を擁護し、社会正義を実現することを使命としている。高度な職業倫理意識が求められていることを踏まえ、再発防止に向けて取り組む」とコメントした。

 男はこれまでにも、民事訴訟の依頼者との協議を怠り、虚偽報告をしたなどとして、2022年、兵庫県弁護士会から計5回の懲戒処分を受けている。

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