「人を元気にするからには、真面目にふざけないと。それをモットーにしています」と語るのは、SNSを中心に人気を集めているアーティスト・こっちのけんと。13日放送のラジオ番組で自身の音楽活動との向き合い方や、音楽に込める思いについて語った。
こっちのけんとは、1996年生まれの大阪府出身。大学進学を機に上京し、学生時代にはアカペラグループ『ケミカルテット』で全国大会2年連続優勝した経験を持つ。卒業後は就職し、社会人として働きながら本格的に音楽活動をスタートさせた。「真面目にふざける」をモットーに活動し、数々の楽曲がSNSで話題を呼んでいる注目のアーティストだ。3人兄弟の次男で、兄は俳優の菅田将暉、弟には俳優デビューを果たした菅生新樹がいる。
自身の掲げるモットーは、アニメ『かいけつゾロリ』(テレビ朝日系列)のキャッチコピー「真面目にふまじめ」からきているという。このキャッチコピーに感銘を受けたことから、「僕も人を元気にするからには真面目にふざけないと、と思ってモットーにしています」と語った。
音楽活動のルーツについて尋ねたところ「アカペラとディズニー」と回答し、このように続けた。
「最初に『音楽って楽しそうだな』と思ったのが、あるテレビでやっていたアカペラ大会の番組。その番組を観て『楽器がないのに声だけであんなに楽しめるんだ』と今まで聴いていた音楽とは違う良さを知って、大学でアカペラサークルに入りました。そこで運良くディズニーソングが好きな友達3人とのグループを作って、ディズニーソングのアカペラカバーをするようになったんです。こうやって振り返ると、今の自分の音楽ルーツを辿るなら『アカペラ』×『ディズニー』が染みついていると思います」(こっちのけんと)
作詞と作曲も手がけるこっちのけんと。作詞を始めたのは、兄・菅田将暉へ贈ったバースデーソングがきっかけだったと明かした。
「作詞を始める前、オリジナルでアカペラソングを作ったらどうなるんだろうと思ったんです。ゴスペラーズみたいなことをしたいなと思っていたんですけど、やってみると作詞が難しすぎて……。そこで、最初は兄に向けた誕生日プレゼントとして曲を作ろうと、お手紙みたいな感じで作詞をしたのがきっかけでしたね。自分が思っている感情を文字にするのは難しいんですけど、お手紙を書く感覚だとすんなりできたんです」(こっちのけんと)
次の話題は、今年リリースされた新曲『ビバ・イナイイナイバァ』について。ミュージックビデオでは子どもが出演するシーンも複数見られたが、このアイデアはどこから着想を得たのだろうか。
「そもそも、聴いた人が元気になる曲を作りたくて。まずは『自分が元気になれる瞬間ってどんなときだろう?』と考えてみたんです。それで、デパートやスーパーに行ったとき、ベビーカーに乗ってる赤ちゃんと不意に目が合うとめちゃくちゃ元気になれるなと思ったので、それをミュージックビデオに採用しました」(こっちのけんと)
SNSで大きな反響があった曲『死ぬな!』はインパクトのあるタイトルがつけられているが、どのような思いが込められているのか尋ねてみた。
「辛いとき、冗談でも『死んでしまいたい』と思ったことが皆さんにもあると思うんですけど、そんなときに力づくでも止めたいなと。冗談でも良くないよという気持ちで、現世側というかこっち側へ引っ張ろうという思いで作りました」(こっちのけんと)
最後に、番組リスナーに向けて「趣味の部分を広げてみたり、辛いことがあったときに回復できる何かを大事に生きてほしい……。と、弱冠27歳が申しております(笑)」と笑いを交えながら明るくエールを送った。
※ラジオ関西『DJ KOO×REBOOT THE WORLD』2023年5月13日放送回より