兵庫県が2023年3月末までおこなっていた新型コロナの無料検査事業をめぐり、不正をしていた事業者に対し、県が補助金を出さなかったケースが1件あったことがわかりました。
兵庫県の斎藤知事が7日の会見で明らかにしたもので、関係者から情報提供があった事業者に県が立ち入り検査をおこなったところ、国が認めていないキットを使って検査を繰り返していたことがわかりました。県によりますと、未承認の検査キットを使ったことで人体に危険が及ぶことはありません。
この事業者は2か所の検査所を運営し、のべ4,495人分の検査をしたとして、約450万円の補助金を申請したものの、県は去年7月、交付しないことを決めたということです。県内では、110の事業者が359か所で無料の検査をおこない、事業者からの報告をもとに、あわせておよそ74億円の補助金が支払われることになっています。
斎藤知事は、すべての事業者を対象に調査する考えを示したうえで、「大変残念で、県民の皆さんに対してお詫びを申し上げたい。悪質な場合は司法的な対応もあり得る」と話しました。新型コロナウイルスの無料検査事業をめぐっては、大阪府がおととい、少なくともおよそ42億円の不正な請求があったと明らかにしています。