兵庫・豊岡市 「クリエイターに会える!」 創作活動の支援・発信の拠点『Apartment』 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

兵庫・豊岡市 「クリエイターに会える!」 創作活動の支援・発信の拠点『Apartment』

LINEで送る

この記事の写真を見る(1枚)

 兵庫県豊岡市は国内最大のカバンの生産地として知られる。JR豊岡駅からほど近い、通称「カバンストリート」には近年、新店舗や複合施設が相次いでオープンするなど新たな動きもみられる。

 劇作家・演出家 平田オリザさんのラジオ番組(ラジオ関西『平田オリザの舞台は但馬』)では、昨年6月に開業した複合施設「Apartment(アパートメント)」の館長・依田一人さんがゲストに出演し、ものづくりの新しい発信の在り方について語った。

 1000年の伝統をもつカバンの産地、豊岡。「Apartment」は豊岡の中心市街地にある「カバンストリート」(宵田商店街)に昨年6月オープンした複合施設だ。1階はクリエイターの創作物を取り扱うショップ、2階は機材と作業スペースが整う月額会員制の工房、3階は展示会やセミナーも開催されるライブラリーエリアとなっており、アイデアが形になるまでのすべてが完結する“ものづくり拠点”となっている。

 館長を務める依田さん自身もレザークラフト作家だ。技術を学ぶため、長野県から豊岡のカバンメーカーに就職。5年半務めたタイミングで、同商店街でカバンの製造販売を手がける下村浩平さんから「クリエイターの自由な創作活動を支援し広く伝えたい」という「Apartment」の構想を聞き、独立を決意した。オープンから1年、現在はフリーランスのクリエイターや副業として携わる人など、12人の会員が交流を深めながら作品を生み出している。

 依田さんは「これまで、作る工程しか知らなかったが、販売も経験することで違った視点でモノが世に出ていく過程をみることができている」と語る。県外からやってきたクリエイターが多いため、販売時には彼らのバックボーンも話すようにしているそうで、「運よく工房に作家がいたときには、お客様から『一緒に写真を撮りたい!』なんていう要望もありました」と明かした。同施設がクリエイターと顧客をつなぐ場になっているようだ。

 老舗カバンメーカーのほかに、修理やクリーニング、材料を扱う店などが集まっていることが豊岡の“強み”であると依田さんは語る。

「私の作品は革のやわらかな質感を残した風合いが特長なのですが、自分が納得する1点ものの作品はここ(アパートメント)で販売します。こうした個人販売のほかにも、『OEM(Original Equipment Manufacturing(Manufacturer):他社ブランドの製品を製造すること』や企業コラボレーションなどの話も入ってくる。組み合わせで仕事が成り立つのが豊岡の強みですね」(依田さん)

 番組パーソナリティーの平田さんは「クリエイターとして好きなことをやりながら生活もちゃんとしていける、という豊岡の強みが全国にもっと知られていい。いずれ、インバウンド観光客が『ご当地でカバンを買いたい』と豊岡狙いで日本を訪れるようになる日がくると思っています」と強く語りかけた。

「Apartment(アパートメント)」の館長・依田一人さん(写真中央)、番組パーソナリティーの平田オリザ(同右)、田名部真理(同左)
「Apartment(アパートメント)」の館長・依田一人さん(写真中央)、番組パーソナリティーの平田オリザ(同右)、田名部真理(同左)

※ラジオ関西『平田オリザの舞台は但馬』2023年6月22日放送回より

☆☆☆☆☆

『平田オリザの舞台は但馬』
放送日時:毎週木曜日 13:00~13:25
放送局:ラジオ関西(AM 558khz / FM 91.1mhz)
パーソナリティー:平田オリザ、田名部真理
メール:oriza@jocr.jp

『ラジコ』では放送後1週間はタイムフリーでの聴取が可能。番組では、平田オリザさんが、ともにパーソナリティーを務める田名部真理さんと、これまでの自身の話しや演劇界への思い、移住拠点となっている兵庫・豊岡、但馬地域について、トークを進めていく。

LINEで送る

関連記事