『関西現代演劇俳優賞』大賞 ピッコロ劇団の樫村千晶が語る、受賞時の心境 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

『関西現代演劇俳優賞』大賞 ピッコロ劇団の樫村千晶が語る、受賞時の心境

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 劇作家・演出家の平田オリザさんがパーソナリティを務めるラジオ番組(ラジオ関西『平田オリザの舞台は但馬』)に、兵庫県立ピッコロ劇団の俳優・樫村千晶さんが出演。昨年上演された舞台では俳優賞大賞を受賞するなど、いま注目を集める樫村さん。受賞時の心境について語った。

兵庫県立ピッコロ劇団の俳優・樫村千晶さん(写真中央)、番組パーソナリティーの平田オリザ(同右)、田名部真理(同左)

 2004年より兵庫県立ピッコロ劇団に在籍する樫村さん。今春、関西を拠点とする優れた俳優を顕彰する「第25回関西現代演劇俳優賞(主催:現代演技論研究会)」で大賞を受賞した。対象となったのは、昨年、同劇団の自主企画として上演された舞台『月光のつゝしみ』での直子役。家族との複雑な関係性を、狂気をはらんだ細やかな演技で表現した点が評価された。

舞台『月光のつゝしみ』

 初演で直子役を演じたのが女優・桃井かおりだったこともあり、「プレッシャーは相当だった」と振り返る樫村さん。初演も観たという平田さんから「役を演じるにあたって(桃井さんを)意識したのか」と尋ねられると、このように答えた。

「(劇団代表でもある劇作家の岩松了さんから)あの役は桃井さんの“当て書き”だったと伺って、納得。とにかくセリフの量がすごいんです。不安だったけれど、稽古を重ねるうちに私と発散の仕方が似ている役だと気づいてからは、徐々に(桃井さんから)離れていきました」(樫村さん)

 平田さんからは「商売柄、誰の演技をみても動じないけれど、あれは『こわい』と思ったなあ(笑)」というコメントも飛び出した。

 県立劇団であるピッコロ劇団は本公演のほかにも、青少年育成の観点から歌やダンスをふんだんに取り入れた「ファミリー劇場」、中学生の団体鑑賞公演「わくわくステージ」、小学校を巡演する「おでかけステージ」、実験的な小劇場公演「オフシアター」など、多彩な公演活動を展開している。また、より多くの人々に舞台を楽しんでもらうため、一部の主催事業では点字チラシや音声ガイド、ポータブル字幕などの鑑賞サポートも行っている。

 7・8月には本公演やファミリー劇場のほかに学校公演も控えており、多忙な日々が続く樫村さん。受賞時の心境について「20年俳優をやってきて一番うれしい瞬間でした」と振り返りつつ、「これからも地に足をつけて演じたい」とコメント。

 平田さんも「ぜひ、桃井さん越えを!」とエールを送り、「ピッコロ劇団には、いつか『豊岡演劇祭』にも出ていただきたい」と思いを告げた。

兵庫県立ピッコロ劇団の俳優・樫村千晶さん(写真中央)、番組パーソナリティーの平田オリザ(同右)、田名部真理(同左)

※ラジオ関西『平田オリザの舞台は但馬』2023年6月29日放送回より

◆兵庫県立ピッコロ劇団第76回公演『やわらかい服を着て』
【公式HP】

◆兵庫県立ピッコロ劇団 ファミリー劇場『森のなかの海賊船 ~こそあどの森の物語~』
【公式HP】

☆☆☆☆☆

『平田オリザの舞台は但馬』
放送日時:毎週木曜日 13:00~13:25
放送局:ラジオ関西(AM 558khz / FM 91.1mhz)
パーソナリティー:平田オリザ、田名部真理
メール:oriza@jocr.jp

『ラジコ』では放送後1週間はタイムフリーでの聴取が可能。番組では、平田オリザさんが、ともにパーソナリティーを務める田名部真理さんと、これまでの自身の話しや演劇界への思い、移住拠点となっている兵庫・豊岡、但馬地域について、トークを進めていく。

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