意味ある? ジーンズの“一番小さいポケット” メーカー「かつての必需品の名残です」 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

意味ある? ジーンズの“一番小さいポケット” メーカー「かつての必需品の名残です」

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 ジーンズの前ポケットの内側に付いた小さなポケット。使いどころはほとんどないのに、必ずと言っていいほど付けられているこのポケットは、一体何のためにあるのでしょうか? 日本ジーンズ生誕の地といわれる、岡山県にあるジーンズメーカー『ボブソン』の企画担当者・西山範彦さんに聞きました。

ジーンズのポケットのなかにさらにポケットが付いている理由は?

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 アメリカ生まれのイメージがあるジーンズですが、その発祥はフランスという説が有力だそうです。もともとは、フランスの南部に位置する都市ニームで生産されていた「セルジュ・ドゥ・ニーム」(ニーム地方の織物)と呼ばれる織物が、18世紀頃からにイタリアのジェノバを通じて海外に輸出されるようになり、「ジェノバ人たちのズボン」という意味で「ジーンズ」と呼ばれるようになったといいます。

ジーンズのポケットのなかにさらにポケットが付いている理由は?
ジーンズ、実はフランス発祥だった?

 1870年代に入ると、アメリカ西部で「ゴールドラッシュ」が起こります。一攫千金を狙って金脈を探す採掘者が殺到するなか、丈夫で藍染のめ生地が蛇よけにもなるといわれたジーンズは、炭坑夫を中心とした労働者のワークパンツとして愛用されるようになりました。

 西山さんによると、小さいポケットが生まれたのはこの頃ではないかということです。1853年に創業したジーンズの定番ブランド『リーバイス社』に保管されている世界最古のジーンズにも、この小さいポケットが付いているといいます。

 このポケットは「ウォッチポケット」と呼ばれ、1870年代の労働者たちの必需品だった、懐中時計を入れるために付けられたものだと考えられているそうです。腕時計ではなく懐中時計で時間を確認するのが主流だった当時、労働者たちが時間を確認したい時に懐中時計をすぐに取り出せるように、利便性を求めて付けられました。現在のジーンズに付けられているポケットも、懐中時計を入れてみると、ゆるすぎず、きつすぎずシンデレラフィットするそうです。

懐中時計

 時代が進むにつれて腕時計が普及し、懐中時計は次第に使われる機会は少なくなりました。しかし、その後もこの小さいポケットがなくなることはなく、小銭を入れる「コインポケット」やアメリカでは映画の半券がちょうど収まるサイズであることから「チケットポケット」としても使われているそうです。

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