カメルーン生まれ姫路育ち 漫画家・星野ルネ氏「“違い”は楽しめる」とラジオで 8月に神戸で講演も | ラジトピ ラジオ関西トピックス

カメルーン生まれ姫路育ち 漫画家・星野ルネ氏「“違い”は楽しめる」とラジオで 8月に神戸で講演も

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 カメルーン生まれの漫画家・タレントの星野ルネ氏が、11日、ラジオ番組に出演。アフリカから日本にやってきた当時の出来事や、自身の経験を通して得た“思い”について語った。

漫画家・タレントの星野ルネ氏

 1984年、中部アフリカ・カメルーン共和国出身の星野氏。3歳のころ母の結婚にともない来日し、以降、兵庫県姫路市で育った。

 放送作家を目指して上京したのち、2018年にTwitterで発表していたエッセイ漫画を掲載した『まんが アフリカ少年が日本で育った結果』(毎日新聞出版)を出版。漫画家として創作活動を続けるとともに、“多文化共生”をテーマとした講演活動も行なっている。

エッセイ漫画『まんが アフリカ少年が日本で育った結果』

 来日当時について、「記憶はすごくぼんやりしていて、気がついたら日本にいたという感じ」と振り返った星野氏。日本語は「物心ついたころにはある程度話せるようになっていた」そうで、幼稚園に通いながら1〜2年の期間をかけて身につけたという。その後、26歳で上京するまでの約23年間を姫路で過ごした。

 星野氏がエッセイ漫画を描き始めたのは、2018年のこと。「アフリカから日本にやってきて育った、こういうタイプの人間もいるということをシェアしたい」と考えたのがきっかけだった。

 日本語もおぼつかない幼稚園児のころから描いていた絵は「日本の子どもたちとコミュニケーションを取れた最初のきっかけ」だったそうで、星野氏いわく、「芸は身を助く」ということわざの通り、自身の居場所を作る一端を担ったという。

 自身の少年時代を「人の縁に恵まれた」と話す星野氏だが、日本で過ごすなかで違和感・不条理を感じる出来事も少なくなかった。「人からジロジロ見られたり」「肌や髪質の違いについて好ましくないことを言われたり」といったつらい経験もしたと明かした。

 それに対して星野氏は、「カメルーンから来た人の気持ちや思いを知らないのだとも思うし、それは友人になって話してみないとわからないもの」と理解も示し、だからこそ、漫画を通して「こういう人も日本で暮らしているということを伝えたい」と語った。

 カメルーンと日本、関西と関東。生活を通してさまざまな文化を体感した星野氏。8月23日(水)には、神戸文化ホール(神戸市中央区)で開催されるイベント「神戸市心かよわす市民のつどい」(主催:神戸市)で講演を行う。『違いを楽しもう! アフリカ少年の毎日が多様性』をテーマに話す。

 講演に向けて星野氏は「“違い”はネガティブなイメージを持たれることも多いが、『こんな考え方があるのか』『こんな文化があるのか』と楽しめる側面もある。“違い”をいかに生かすことができるかを伝えたい」と意気込んだ。

 イベントは、午後1時30分から午後4時までの予定。80分の講演にさきがけて映画上映も行われる。入場無料、事前申し込みが必要。申し込みは、現在「神戸市イベント申込サイト」にてオンラインで受け付け中。問い合わせは、神戸市総合コールセンター 電話0570-083330(ナビダイヤル)または078-333-3330(午前8時~午後9時、年中無休)。

「心かよわす市民のつどい(講演会)」のチラシ
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