作品を科目に見立てて 『安野先生のふしぎな学校』 明石市立文化博物館【Rミュージアム・トーク1】 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

作品を科目に見立てて 『安野先生のふしぎな学校』 明石市立文化博物館【Rミュージアム・トーク1】

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 明石市立文化博物館(兵庫県明石市)では、7月22日(土)から、夏季特別展「安野光雅美術館コレクション 安野先生のふしぎな学校」を開催する。分かりやすい解説で好評のシリーズ「リモート・ミュージアム・トーク」の今回は、同館の北野恭子学芸員が担当。2回にわたって、同展の内容や関連イベントなどについて教えてもらう。第1回は「作品を科目に見立てて」。

「かげぼうし」より 1976年Ⓒ空想工房 画像提供:津和野町立安野光雅美術館
「かげぼうし」より 1976年Ⓒ空想工房 画像提供:津和野町立安野光雅美術館

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 画家の安野光雅(1926-2020年)は、四方を山々に囲まれ城下町の風情が残る島根県の津和野で、さまざまに空想を巡らせながら絵描きになることを夢みて少年時代を過ごしました。24歳で上京し、正式に美術教員として小学校で図画工作などを教える傍ら、絵画や本の装丁デザインなどの創作活動を続け、35歳で画家として独立します。

「ふしぎなのり」「はじめてであうすうがくの絵本1」より 1982年 Ⓒ空想工房 画像提供:津和野町立安野光雅美術館
「ふしぎなのり」「はじめてであうすうがくの絵本1」より 1982年 Ⓒ空想工房 画像提供:津和野町立安野光雅美術館

 その後、安野は福音館書店の松居直との出会いをきっかけに42歳で絵本作家としてデビューし、国内外で数多くの賞を受賞するなどめざましく活躍します。そしてその活躍は絵本だけにとどまらず、装丁デザインや執筆活動にも及び、94歳で亡くなるまで精力的に創作活動を続けました。

「兵庫県・室津漁港」 『原風景のなかへ』より 2013年 Ⓒ空想工房 画像提供:津和野町立安野光雅美術館
「兵庫県・室津漁港」『原風景のなかへ』より 2013年Ⓒ空想工房 画像提供:津和野町立安野光雅美術館

 本展では、安野の教員時代に着目。さまざまな国を旅して描いた風景画は「しゃかい」、『ちくま日本文学全集』の装画は「こくご」、かずの絵本として国内外の賞を受賞した『かぞえてみよう』の原画は「さんすう」など、津和野町立安野光雅美術館の所蔵品より、多彩なジャンルの作品を授業の科目に見立ててご紹介します。

「7」『かぞえてみよう』より 1975年 Ⓒ空想工房 画像提供:津和野町立安野光雅美術館
「7」『かぞえてみよう』より 1975年 Ⓒ空想工房 画像提供:津和野町立安野光雅美術館

 関連イベントとして、学芸員によるギャラリートークを開催します。何でも独学で取り組み、作品を通じて「自分で考えることの大切さ」を伝え続けた安野。今回のギャラリートークは通常の展示解説と異なり、参加者が作品について自ら【インタレスト-興味】を持ち、たくさんの不思議を見つけて想像を膨らませることのできる、参加型イベントです。

 夕暮れ時に作品をじっくりと楽しむ“レイト・ツアー”、空想しながら作品を楽しむ子ども向けギャラリートーク“キッズツアー”を開催する予定です。

 この夏、「考えることの楽しさ」を実感しに、明石市立文化博物館を訪れてはいかがでしょうか。(明石市立文化博物館学芸員・北野恭子)

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◆明石市立文化博物館
夏季特別展 「安野光雅美術館コレクション 安野先生のふしぎな学校」
会期 2023年7月22日(土)〜8月27日(日)※会期中は無休
観覧料 大人1000円 大高生700円 中学生以下無料     

ギャラリートーク
レイトツアー 2023年7月23日(日) 17:00~18:00
キッズツアー 2023年7月30日(日) 10:00~11:00 
(いずれも申込不要、直接会場で受付)

事前申込制ギャラリートーク 1時間程度
5人以上の団体で展覧会を楽しまれる場合は、無料ギャラリートークが便利。申し込みは利用希望日の10日前までに電話かFAXで。手話通訳・要約筆記希望の場合はその旨を要報告。

電話 078-918-5400
Fax 078-918-5409
公式HP

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