女子サッカーの世界一を決める「FIFA女子ワールドカップオーストラリア&ニュージーランド2023」で、初戦を幸先よく勝利したサッカー日本女子代表「なでしこジャパン」。なでしこジャパンOGがその戦いぶりを評価するとともに、今後の戦いについての見どころを語った。
22日のザンビア女子代表戦では5-0と大勝した、なでしこジャパン。この一戦を元なでしこジャパンDF川上直子氏が、自身がパーソナリティーを務めるラジオ番組『カンピオーネ!レオネッサ!!』(ラジオ関西)7月24日放送回で振り返った。
「どんな試合になるかと思ったが、前半はなかなか点が入らずじれったい感じもしつつ、勝てるな、いつ得点が入るかなと、安心して見れた」という川上氏。特に、この試合で1ゴール1アシストの活躍を見せたFW田中美南選手(INAC神戸レオネッサ)を絶賛していた。
「ハットトリックのチャンスもあったし、試合を見てもいろんなところに顔を出すなど、活躍が目立った。2022-23シーズンのWEリーグでもパフォーマンスがよかったが、そのままのいい流れを代表に持っていけている。ボールキープだったり、(ラインを)出そうなところを最後までねばったり。あそこの踏ん張りがきくのは、身体が切れている証拠で、すごくコンディションがいいんだろうなと。これからの試合も期待したい」(川上氏)
また、「(田中選手が)植木理子選手と交代するとき、二人で抱き合って言葉をかけていたところにも、私的にはグッときた。(WEリーグで)得点ランキングを争ったふたりのいいシーン」と、日テレ・ベレーザ(現、日テレ・東京ヴェルディベレーザ)OGでもある川上氏は、ベレーザで育った2人のストライカーのワンシーンにフォーカスしていた。
この番組のリスナーからも、チームや田中選手の活躍を称えるメッセージが相次いだ。
「心配した初戦、大量得点と被シュートゼロでの勝利。強いチームと弱いチームの差はFWにボールが回るかどうかだと考えるが、そんな見本の試合。田中の2本のオフサイドは残念も、攻撃の形が機能している証拠だと思う」
「(田中選手は)ゴールネットを3度揺らすも、2つのオフサイドに泣いたが、1ゴール1アシストの活躍で、素晴らしいW杯デビュー。今までの努力が実った結果」
「日本のお家芸である連動性とポゼッションで5-0と完封、本当に素晴らしい。田中美南選手、よい動き、よい働きだった。1ゴール1アシスト、オフサイドもVAR判定でそれだけきわどく中身のあるプレーだったと思う。アシストはライン際でもあきらめずボールを追った賜物。ゴールは一瞬喜んでいいのか、ちゅうちょしていた表情がおもしろかった。前線での積極的なプレーで攻撃にリズムを作っていた」
「トレンド入りした“田中の3ミリ”、あの場面はよく折り返した」
「3度目の正直で、悲願のW杯初出場の田中選手。初ゴールもアシストも素晴らしかった」
一方、なでしこジャパンは26日にコスタリカ女子代表、31日にスペイン女子代表との試合が控えている。初戦でスペインに0-3で敗れているコスタリカとの一戦で、勝てばノックアウトステージ(決勝トーナメント)進出が決まるが、「スペインとの試合を観ていると、(レベルは)そこまで高くないと思うし、ディフェンスもボールウォッチャーで、ボールばかり見てしまっている。日本はザンビア戦みたいに得点を重ねることができるのでは。コスタリカも研究してくると思うが、日本はいろんな引き出しを持っているので、そこを上回れれば」と、日本の勝利を予想した川上氏。「(今後の)けがや累積警告での出場停止などを考えると、コスタリカ戦では新しい選手の活躍が見られると思う」と述べたうえで、「(グループステージを)1位で抜けるか、2位で抜けるか、どっちがいいかもわからない。短期決戦なので、どんどん勢いに乗っていきたい」と、勝ち続ける重要性を説いていた。