夏が旬のフルーツはいろいろありますが、真っ先に「スイカ」を思い浮かべる人が多いのでは? 先日、スターバックスでは初の「スイカフラペチーノ」が発売されたことも話題になっています。
さてスイカといえば、緑に黒の縞模様。なぜそのような姿なのでしょうか? スイカの研究をする萩原農場(奈良・田原本町)の萩原斗志弘社長に話を聞きました。
まずはスイカの歴史について。栽培スイカの原産地は南アフリカの砂漠地域とされていると萩原社長。「諸説ありますが1857年にイギリスの医療伝道者であったリビングストン氏が、アフリカ探検の際に南アフリカ中央部・カラハリ砂漠・サバンナ地帯でいろいろなスイカの野生種を発見しました」とのこと。
栽培の歴史は原産地に近く文明の開けたエジプトやインド、ギリシャで始まりました。特にエジプトでは4000年以前の壁画からスイカ栽培が実証されていた……ともされているそうです。そんな“砂漠地帯生まれ”というところに縞模様の秘密があると萩原社長は語ります。
「砂漠では種子を広く分散しなければ絶滅するリスクが高まります。その打開策として有力な説のひとつが『鳥に見つけてもらうため』というもの。鳥はスイカの果肉を食べる際、種子はそのまま飲み込みます。種子は消化されることなく糞に混じり、移動中に糞と共に排泄されることで新たな地に落とされます。ですが、そもそも果実が目立つ姿でないと鳥に発見されません。そのためあのような縞模様になったのではないかと言われています。逆に、縞のないスイカは発見されにくく絶滅していったのだそう。品種によっては無地のスイカもありますが縞は基本的に優勢遺伝的のため、一般的には縞ありのスイカが多いと考えられています」(萩原社長)
現在スイカはアメリカや中国から導入されたものと、日本で育成したものを合わせると150以上の品種があるそうです。萩原農場はスイカの品種育成を行っている種苗会社であり、日本の農家へ種や苗の納入を行っています。
「スーパーで売られているスイカの半分は弊社が研究・開発した品種です。スイカ育種のパイオニアとして日本のスイカ業界をリードしていくという強い信念を持っております」と萩原社長は最後に締めくくりました。
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