夏の高校野球・第105回全国高校野球選手権記念大会は9日、大会4日目を迎え、第2試合で登場した地元・兵庫代表の社(やしろ)は西東京代表の日大三に0対3で敗れました。社は春のセンバツ(第95回選抜高校野球大会)でも初戦で海星(長崎)に敗れており、新チームになってからの甲子園初勝利とはなりませんでした。
この試合に先発し、6回3分の2を投げ、9安打を浴びながらも3失点に抑えるピッチングを見せたエースの高橋大和(3年)は、「甲子園という最高の舞台で今までやってきたことを出し切れたと思う。いつも、完封することを目標にマウンドに上がっているが、日大三高は力強いバッターばかりで、点を取られてしまった。もっとチームに流れを呼び込むピッチングができたらよかったが、これが自分の全力かな、と思う。後輩には、僕たちが達成できなかった目標(甲子園での勝利)を達成してほしい」と涙ながらに話しました。
主将としてチームをけん引してきた隈翼(3年)は、「最後に甲子園で終われてよかった。守備も攻撃も決してよくはなかったが、悪い中での100点満点は出せたと思う。甲子園(出場)が決まってから、周りのたくさんの人が『おめでとう』と言ってくれた。結果で示せなかったことは悔しいが、『本当にありがとうございました』と感謝の気持ちでいっぱい」とすがすがしい表情で話しました。
山本巧監督は、「1年前を振り返ると、本当に力のないところから始まり、努力を重ねてここまで来たチーム。結果としては負けてしまったが、よく頑張った。高橋はセンバツの悔しさもあったと思うが、丁寧に投げてくれた。西垣(琉空・2年)がしっかりとリードしてくれて、投げる姿は頼もしかった。今後も変わらずに、すべての面で目をそらさず、みんなで協力して頑張っていきたい」と選手をねぎらいました。