日本盆踊り協会・特別芸術顧問のDJ KOO 夏の風物詩『盆踊り』の進化語る | ラジトピ ラジオ関西トピックス

日本盆踊り協会・特別芸術顧問のDJ KOO 夏の風物詩『盆踊り』の進化語る

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 日本の夏の風物詩である「盆踊り」。太鼓や笛のリズムにあわせて“やぐら”を中心に回りながら踊るイメージがあるが、近年は時代にあわせて少しずつ進化しているのだそう。日本盆踊り協会の特別芸術顧問を務めるDJ KOOが、8月12日放送のラジオ番組で、盆踊りの起源や最新の盆踊り事情について語った。

DJ KOO

 あるとき、「DJというカルチャーを持つ自分が各地域の盆踊りに携わるためには、これまでの伝統や歴史を学ばなければならない」と思い至ったDJ KOOは、盆踊りについて日本芸能の専門家や神社の宮司、寺の住職といった有識者に尋ねることにした。

 そもそも盆踊りは、お経を唱えながら供養や祈願をする「念仏踊り」が原点にあるという。そこから、鐘の音や拍子を加えたものに踊りをつけた「祈りを捧げる踊り=盆踊り」が生まれ、さらに発展した「踊り念仏」も誕生したといわれている。DJ KOOは「ご先祖様を敬い供養する、という日本古来の伝統から生まれた文化なんですね」と感慨深げにつぶやいた。

 やぐらの周りで輪になって踊るのにも意味があるそうで、DJ KOOはこのように説明した。

「日本古典芸能の研究をしている方に話を聞いたところ、『(輪になって踊ることは)“宇宙”を表している』と言っていたんです。同じ音楽・踊りを続けることで、前や後ろ、縦や横の概念がない宇宙的なエネルギーを宿している。輪になって“反時計回り”に移動することにも意味があるようで、未来へ進む“時計回り”と逆に回ることで“過去”を意識し、『未来のために過去を供養して進んでいく』という思いが込められているといいます」(DJ KOO)

 話題は、最新の盆踊り事情へと転換。従来の盆踊りでは、『東京音頭』『ソーラン節』『炭坑節』『ドンパン節』などが定番とされており、その後、子どもたちにも興味を持ってもらおうと『ドラえもん音頭』『アンパンマン音頭』などが生み出された。ここ最近はさらに進化し、JITTERIN'JINN『夏祭り』や松平健『マツケンサンバII音頭』などの楽曲も使用されている。

 DJ KOOは今年、日本三大稲荷のひとつである豊川稲荷(愛知県豊川市)の新たな試みとして開催されている「YORU MO―DE(ヨルモウデ)2023」で実施された「ODORI MO―DE(オドリモウデ)」のプロデュースを担当した。

「新時代の夏祭り」をテーマに、プロジェクションマッピングの導入やDJタイムもあり、来場者がDJ KOOのカウントダウンにあわせてLEDの入ったバルーンランタンを夜空に打ち上げるシーンなどもあった。

 同イベントについて、DJ KOOは「お客さんはみんな鮮やかな浴衣姿で楽しそうにしていました。(開催前に)豊川稲荷のご住職が『皆さんの心を満たすような盆踊りが開催されますように』と言っていたのがとても心に響きましたね」と振り返った。

※ラジオ関西『DJ KOO×REBOOT THE WORLD』2023年8月12日放送回より

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