普段何気なく使っている言葉でも、世代が変わると通じなくなることがありますよね。ラジオ番組『Clip』(ラジオ関西、月―木午後2時30分~)内、神戸電子専門学校の学生が独自のレポートを発表するコーナー「走れ! Clip特派員!」で、若者言葉が話題となりました。
同校生徒が校内でさまざまな言葉の意味を尋ねるアンケートをとったところ、最も多くの人がわかると答えたのは「マ?」でした。これは2017年ギャル流行語大賞の1位にもなった言葉で、「マジ?」の略語。わからないと答えたのは全体のおよそ8パーセントのみと、90パーセント以上の人が意味を理解していました。さらに「マ?」には、「そマ?(=それマジ?)」と「こマ?(=これマジ?)」という2つの派生系の言葉もあります。
数年前、台湾発祥の飲料“タピオカドリンク”が大流行しましたが、「タピオカを飲む」ことを意味する「タピる」という言葉も多くの人に浸透していました。40・50代は70パーセント、10代では90パーセント以上の人が意味を理解しており、多くの世代に伝わる言葉であることがわかります。
一方、わからないという回答が最も多かった言葉は「インライ」です。写真や動画の投稿をメインとしているSNS「Instagram(インスタグラム)」に備わるライブ配信機能「インスタライブ」を指すのですが、全体の65.9パーセントもの人がわからないと回答。ちなみに、「インライ」のほかに「スタライ」とも呼ばれています。
続いて、64.2パーセントの人がわからないと答えたのが「KS」という言葉。「既読スルー」の略語で、コミュニケーションアプリ「LINE(ライン)」でメッセージを読んだにもかかわらず返事を返さないことを表しています。本来、「スルー」は英語で「through」となるため略語も「KT」になりそうなのですが、ローマ字表記「suru-」から「KS」になったのだとか。
今回、最近の若者言葉以外に昔の流行語についても調査しました。なかでも最も多くの人がわからないと回答したのが「半ドン」で、なんと81.8パーセントの人が意味を知りませんでした。
「半ドン」とは、午前中に業務・授業が終了して午後が休みとなる「早期終業」を指す俗語。「半」は「半分」を意味し、「ドン」は「ドンタク」の略語です。あまり馴染みのない「ドンタク」という言葉は、オランダ語で「日曜日」「休日」を意味する「ゾンターク」に由来しているのだとか。ちなみに、福岡県福岡市のお祭り『博多どんたく港まつり』も「ゾンターク」を語源としています。
平成初期までは学校も会社も、休みは日曜日と祝日のみで「半ドン」が当たり前。1992年に“学校週5日制”が導入されましたが、土曜日が休みになるのは第2土曜日の月1回のみで、あとの土曜日はすべて半ドンでした。1995年に第4土曜日も休みに、2002年にすべての土曜日が休みとなったことから「半ドン」が消滅したため、今の10・20代にはあまり知られていないようです。
そのほか、「アッシーくん」(女性が移動する際に自家用車で送り迎えをする、女性にとって『都合のいい男性』を指す俗称)は67.4パーセント、「アベック」(男女の2人連れ)は66.9パーセント、「冷コー」(大阪を中心に使われていた『アイスコーヒー』を指す言葉)は58.6パーセントの人がわからないと回答しました。
時代とともに流行りすたりがつきまとう若者言葉。今あなたが使っている言葉も、世代が変わると伝わらなくなるかもしれません。
※ラジオ関西『Clip月曜日』2023年6月19日放送回より