厳しい残暑が続くが、光熱費の高騰などで冷房をつけっぱなしにするのをためらう人もいるかもしれない。そうした中、「ひと部屋だけの断熱リフォーム」が注目されている。住宅リフォーム専門店に、最新リフォーム事情を聞いた。
これまで断熱リフォームといえば家全体をリフォームするイメージだったが、最近ではひと部屋だけの断熱リフォームが見直されていると説明するのは「リフォーム.デザイン ゆめや」(神戸市東灘区・六甲アイランド)の代表取締役・盛静男さん。盛さんによると、特に高齢者など、一つの部屋で長く滞在する人がいる場合には、その部屋だけを断熱リフォームし、空間の断熱性を高めてエアコン効率をアップさせるのが効果的だという。費用も10分の1ほどで済み、リフォーム中に別の場所で仮住まいをする必要もないそうだ。
断熱リフォームは、夏場だけでなく冬場にも効果を発揮するという。WHO(世界保健機関)は「住まいと健康に関するガイドライン」で、寒さによる健康影響から居住者を守るための室内温度として18度以上を強く勧告しているが、ひと部屋だけの断熱リフォームであれば予算面で諦めていた人も「室内温度18度以上」を実現することができる。
様々なリフォームを提案している同社。今年2月には家具部門「Futur」を立ち上げた。名前はフランス語で「未来」を意味する。
数年前から、リフォーム工事の付加価値を上げる新たな取り組みを模索していたところ、リフォーム工事の一連の流れの中で、収納など固定式の家具の依頼を多々受けることから考えたのが家具製作所の立ち上げだったそう。ちょうどその折に、倉庫と事務所(神戸市東灘区深江地区)の隣の土地がたまたま売りに出たことから購入を決断し、家具製作所の設立に至ったのだとか。
これまでに製作した「飛散防止機能付き会議テーブル」は、アクリル板を脱着し、引き出しに収納できる仕掛けになっている。普段使いの際にはアクリル板を差し込む穴が埋まる仕組みで、細かな部分に工夫が凝らされていると言える。
新たな挑戦に対し、顧客からはリフォームと一括で発注できることを評価する声も届いているという。「コロナ禍を経て様々なことを学びました。衛生面と安心感を併せもつ新時代の家具を作りたい」と盛さんは意気込んだ。
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購入したからには長く住みたいマイホーム。リフォームも選択肢に入れつつ、快適に過ごしていきたいものだ。
(取材・文=バンク北川 / 放送作家)
◆リフォーム.デザイン ゆめや
専門知識、資格を持った営業スタッフと経験豊富な女性インテリアコーディネーターがタッグを組み、それぞれの暮らしにあった「住まいのリフォーム」を考え、デザインする住宅リフォーム専門店。
【アクセス】六甲ライナー・アイランドセンター駅直通の神戸ファッションマート1階
【営業時間】午前10時~午後6時30分
【定休日】水曜日