多額の負債をかかえて経営破綻した経験を持つ経営トップが、倒産を決意した日の心境をラジオ番組で振り返りました。
20歳で起業し、アミューズメント業界で年商約80億の企業を経営していた藤澤義仁さん。しかし、その後、「いろいろアクシデントがあったりして、すでに資金繰りがかなり厳しい状況になっていた」なか、新型コロナウイルスの感染拡大が追い打ちをかけ、2020年4月、負債総額84億円を抱えて東京地裁に自己破産を申請。倒産というどん底を味わいました。
「(コロナで)ほとんどの店舗が休業になって、売り上げがまったく入ってこない。ただですら経営状況が厳しいところに、売り上げがゼロになった。直近数か月のどうしても避けられない支出のキャッシュ、金額を考えると、これはとてもその場のなにかの救済的な資金調達でも、とても追いつかない額になった。その場はなんとかできたとしても、おそらく半年もたないと思ったので、そうであれば、できる限り、それこそご迷惑をかけることは最小限にしたかった」(藤澤さん)
「社員やパートを含めて約650人いた」という会社の倒産を決意したのは、同年の2月末。「その日の夜、役員の何人かに、『どう考えてもこれはまわらない。これは決断するしかない』と(伝えた)。半年くらい前からなかなか大変な状況はずっと続いていて、ある日突然ダメだというわけではないので、うすうす全員が感じ取っていたこと」と、当時の状況を明かしました。
それでも、倒産した翌月から次の事業立ち上げを進めたという藤澤さん。1年余りで輸入車に特化したレンタカー事業を軌道に乗せただけでなく、経営士の資格を取り、自身の経験をもとにした経営コンサルタント業も展開。YouTubeチャンネルも立ち上げるなど、どん底から這い上がって新たな道を切り開いています。
今後の展望について「野望が本当にない」と、藤澤さん。「自分が何かをすることで周りのプラスになれば。残りの人生は様々な人や地域、何かに貢献したい」と、倒産を経験してたどり着いた思いを述べていました。
※ラジオ関西『としちゃん・大貴のええやんカー!やってみよう!!』2023年9月4日放送回より