日常的に目にする車用の信号機。左から「青・黄・赤」と並んでいますが、なぜ赤色が一番右側にあるのでしょうか? 信号機の製造を行う「日本信号株式会社」総務部の茨城博晃さんにその理由を聞きました。
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日本に初めて信号機が設置されたのは1930年(昭和5年)のこと。信号機の配色が左から「青・黄・赤」となっているのは、日本が左側通行であることに理由があります。一般的に街路樹や看板は進行方向の左側にあるため、街路樹が成長し枝葉が伸びて信号機が見えにくくなった場合でも、最も重要な「赤信号」は車両の運転手から見えるようにするため一番右側と決められているそうです。つまり、車の運転手が最も見えやすい道路の真ん中に赤信号がくるように信号機の一番右側が「赤」になっています。
では、日本と違い右側通行の国ではどのような色の並びになっているのでしょうか? 実は、右側通行の韓国にある信号機は左側が赤信号となっています。赤信号が最も見えやすい位置である“道路の真ん中”に設置することは世界で共通の認識となっているようです。
また、雪国に設置されている縦型の信号機は上から「赤・黄・青」となっています。信号機の上部は、灯器(光る部分)に最も雪が積もりにくいため、赤信号と決められているそう。
その他にも、信号が見えやすくなるように積雪する地域では灯器にカバーが付けられていることがあります。カバーをすることで、灯器に雪が積もっても風で飛んでいきやすいという効果があるそうです。最近ではLEDライトを使用したものや、薄型の信号機も増えており信号がより見えやすいように改善されています。
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普段何気なく見ている信号機も、より見えやすくするために様々な工夫がされています。
(取材・文=迫田ヒロミ)