日本初のジャズのプロバンドが神戸で演奏を披露してから、2023年で100年を迎えました。“ジャズの街”である神戸では、「神戸ジャズ100周年」を記念したさまざまな催しが実施されています。
1923(大正12)年、ヴァイオリン奏者の井田一郎氏が「ラフィング・スターズ」を結成し、日本で初めてプロバンドとしてジャズを演奏した地が神戸であったことから、神戸は“ジャズの街”と呼ばれるようになりました。
1894(明治27)年、東京・浅草に生まれた井田氏は、ダンスホールの専属バンドや宝塚少女歌劇(宝塚歌劇団の前身)のオーケストラなどで活動していました。戦前の日本に渡ってきた西洋音楽にはジャズやタンゴがありましたが、ダンスのためではない、音楽がメインのバンドは存在していませんでした。
そのような中、1923(大正12)年、井田氏が国内初となるジャズ・バンド「ラフィング・スターズ」を神戸で結成。このことから、井田氏は「日本のジャズの父」といわれています。
江戸時代末期に開港したことにより外国文化が流入するようになった神戸では、やがてジャズの楽団の演奏が各所でみられるようになり、戦後には、ジャズが聴けるレストランや喫茶店が数多くオープンしました。
今では広く日本全国に浸透しているジャズですが、なかでも神戸にはジャズが聴ける店が多く存在し、1953(昭和28)年に神戸三宮にオープンした「JAVA」は、現存する最古のジャズ喫茶です。
100年にわたるジャズの歴史を重ねた神戸市では、ジャズを聴ける店をまとめた冊子が作成され、インフォメーションセンターや観光案内所などで配布されています。
“ジャズの街神戸”の浸透を目指すとともに、ジャズの魅力を発信しようと、神戸市ではさまざまな取り組みが実施されています。その中のひとつが、ふるさと納税により集まった寄付金を活用した「出前ジャズ」です。中学校・高校の文化祭などにジャズアーティストを派遣し、ライブ演奏会を開催しています。
さらに「神戸ジャズ100周年」を記念し、神戸ハーバーランドの高浜岸壁に特設野外ステージが登場しています。同ステージでは、9月11日(月)〜17日(日)までの期間「ハーバー JAZZ NIGHT」を開催中。ディキシーランド、ビバップ、ラテンなど、さまざまなジャンルのジャズが日替わりで繰り広げられます。
17日(日)は、放送中の番組『KOBE JAZZ-PHONIC RADIO』(ラジオ関西)とのタイアップステージなどが予定されています。さらに、同局の番組『Clip!』(ラジオ関西)の火曜パーソナリティーを務めるインスタグラマー・ウラリエがおすすめするお店が「#ジャズごはん」として登場。さまざまな料理を楽しみながらジャズが楽しめる催しとなっています。
神戸市文化スポーツ局文化交流課の小池宏典さんは「『神戸ジャズ100周年』という特別な1年を、皆さんでお祝いできればと思っています。今後もさまざまなジャズイベントを予定していますが、まずは『ハーバー JAZZ NIGHT』にお越しいただき、皆さんで『神戸ジャズ100周年』を盛り上げていければ」と話しました。
※ラジオ関西『サンデー神戸』2023年9月10日放送回より
【神戸ジャズ100周年特設サイト「KOBE-JAZZ100th」】
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