コアラをはじめ、たくさんの動物と出会える「淡路ファームパーク イングランドの丘」。同園では、2019年から『生き物の「なぜ?」に飼育員が答えます!』と題して来園者からの素朴な疑問を募集しています。その質問に対して飼育員の後藤敦さんがイラスト付きで回答しているのですが、思わず見入ってしまう“上手すぎるイラスト”と少しのユーモアを交えたアンサーが人気を博しています。その質疑応答が『飼育員さんのすごいこたえ』というタイトルの書籍となり、2021年に発売。
そして、ことし9月15日、シリーズ第2弾として『もっとしりたい 飼育員さんのすごいこたえ』が刊行されました。本作の制作秘話について、質問の回答・イラストを担当した飼育員の後藤さんにききました。
――第1弾の反響がすごくあったということですが、実際どのようなレスポンスでしたか?
【後藤さん】園内に設置されている「質問回収ポスト」に投函される質問が増えました。第2弾の『もっとしりたい 飼育員さんのすごいこたえ』は、第1弾が発売された2021年以降に投函されたたくさんの質問の中から67の質問を厳選しています。
――子どもからの質問が多いのですか?
【後藤さん】大人からの質問も多いです。割合で言うと、大人と子ども半々くらいですよ。
――実際に読んでみると動物に関する質問が多数ですが、第4章の「人生へのすごいこたえ」では「人生は愛嬌ですか?」「大人になるほど素直になれないのはなぜですか?」など、“人生相談”的な質問にも答えていますね!
【後藤さん】意外と動物以外の質問も多いんです。全て、というわけではないのですがお答えしています。
――それがあるからこそ、すごくおもしろいと感じます。動物とは関係ない質問にもちゃんと動物を絡めていて、「飼育員の後藤さん」だからこその視点がある。読んでいてとても楽しいです! 思いもよらない角度からの質問もあるので、後藤さんの回答だけでなく質問自体も楽しめます。「夫とラクダの区別がつきません」という質問があったのですが、思わず吹き出してしまいました!
【後藤さん】そうですね(笑)。みなさんユニークな質問をしてくださるので、難しさはあるものの楽しみながら答えています。
――質問も回答もユーモアが溢れていてとにかくほほえましいです。一つひとつの質問に対し丁寧に答えていることが分かるのですが、1回答に対してどのくらい時間をかけているのですか?
【後藤さん】平均して30分以上はかかっていますね。イラストを描く場合はもっと時間がかかることもあります。
――「こん虫はどこからいき(息)をしているのですか」という、動物以外に関する質問にも答えていますよね。幅広い知識を持つ後藤さんですが、その探究心はどこから湧いてくるのですか?
【後藤さん】好奇心が尽きないというか、知っても知っても動物や虫たちは次々に新たな知識や発見を与えてくれる。とにかく飽きないんですよね。一生かかっても知りきれないほどの情報がありますし、情報は日々更新されるので勉強の毎日です。