兵庫県上郡町の梅田修作町長が、4日、ラジオ関西の生番組に出演し、「特産品を活用しながら、知り合い人口、関係人口を増やして、住民が健康に過ごせる町にしていきたい」と、まちづくりへの意欲を語った。
上郡町は兵庫県の南西部に位置し、中心を清流・千種川が流れる風光明媚な町。人口は1万4千人で、東西にJR山陽本線や国道2号線、北へは山陰地方とつながる国道370号線が通るなど、交通の要衝として栄えてきた。梅田町長は、「最短で姫路から25分、神戸や鳥取からそれぞれ1時間10分ほどと、遠いようで都市部とのアクセスが良い町」と話した。
自然豊かで、春は桜、初夏には数万匹のホタルが川を飛び交う。ここ数年でコウノトリが飛来するようにもなり、多い時は8羽ほど、今年は町長自身も3羽ほど見かけたという。
こうした中、上郡町では2023年「子どもと環境をより大切にするまちへ」をキャッチフレーズに掲げた。豊かな自然環境を守るだけではなく、子育てや教育、住まい、働く環境など、人を取り巻くあらゆる環境に着目して充実させる取り組みを進める。具体的には、出産祝い金制度や有機農業の推進、学校給食に地元産の低農薬や無農薬の食材を取り入れた食育の推進にも力を入れている。あわせて、早稲田大学人間科学学術院やYouTuberの瀬戸内サニー氏との連携によって、若者に魅力あるまちづくりや、住民自らが「何かやってみよう」と思える仕組みづくりも進める。
上郡町内の特産品について聞かれた梅田町長は、食物繊維が豊富な「モロヘイヤ」を粉末にし、生地に練り込んだうどんを紹介。村おこし事業として開発されたもので、南北朝時代の武将、赤松円心にちなんで「円心モロどん」と名付けられ、町内の飲食店でも提供している。
さらに、世界のスーパーフード「モリンガ」の葉を練り込んだパンやスイーツを、旧幼稚園の建物を使ったカフェで提供していることにも触れた。栽培から商品開発、カフェ運営まで、地域の住民の手で行われていて、梅田町長は「地域の方が主体となって、何か自分たちでやってみようという気運がとても嬉しく思う」と話した。
観光では、11月23日(木・祝)に白旗城まつりを開催。赤松円心にちなんだイベントで、手作りの鎧かぶとを着けた武者行列が町を練り歩く。2025年の大阪関西万博にあわせて開催される「ひょうごフィールドパビリオン」でも、手づくり鎧かぶと教室や着付け体験が行われることになった。
梅田町長は「上郡町では、モリンガやモロヘイヤといった栄養価の高い食材で特産品を開発している。こうした取り組みを進める中で、町内で知り合い人口や関係人口を増やして、人々の交流を増やしていき、住んでいる方々が自然の恵みを受けながら健康に過ごせる町にしていきたい」と締めくくった。
※ラジオ関西『三上公也の朝は恋人』2023年10月4日放送回より