南あわじ市の守本憲弘（もりもと・かずひろ）市長が、11日、ラジオ関西の生番組に出演し、「南あわじの魅力は3＋1。食材・自然・歴史文化に人のあたたかさがプラスされ、住民主体のまちづくりが進んでいる」と話した。
南あわじ市は、兵庫県の淡路島にある3つの市のうち一番南にあり、鳴門の渦潮で有名な鳴門海峡を挟んで、四国の徳島県鳴門市と向かい合っている。三方を海に囲まれ、諭鶴羽山地（ゆづるはさんち）の裾野に三原平野が広がる。守本市長は「面積的には小さいけれど、農業生産額では近畿圏の市町村で1位」と紹介した。農業では水稲・玉ねぎ・レタスを多く生産しているが、それを支えているのが畜産。肉牛・乳牛の飼育で出た肥料を作物に循環させるシステムが、日本農業遺産に認定されている。また、守本市長は「今年は特に、阪神タイガースの村上投手の出身地ということで、地元は盛り上がっている」と笑顔で語った。
南あわじの魅力について聞かれた守本市長は「一言で表現すると3＋1」と答えた。3は、食材・自然・歴史文化。このうち食材に関しては、農産物の他にも新鮮な魚が豊富で、「鯛も有名だが、サクラマス、“3年とらふぐ”、夏はハモ。非常に多彩」また、畜産関連では、「実は神戸牛の半分は淡路生まれ。但馬牛を人間で言うと中学生ぐらいまで淡路で育て、その後神戸に行って育つと神戸牛になり、高校生まで淡路島で育つと淡路牛。淡路島牛乳も大変人気」と食の魅力を幅広く紹介。自然では、鳴門の渦潮、灘黒岩水仙郷、慶野松原、国生みの神話にも登場する沼島。歴史文化では、沼島の歴史や、500年の伝統がある淡路人形浄瑠璃、ユネスコの無形文化遺産の登録が決定した「阿万の風流踊り」、慶野松原で発見された銅鐸…と、食材にも観光資産にも恵まれている。
そして「プラス1」の部分は「市民同士の関係性が非常に深いこと」を挙げた。南あわじ市には21地区に203の自治会があり、住民主体で祭りや敬老会などを開催している。観光客や移住者から「人が非常にあたたかい」と言われていて、守本市長は「市民の関係性、あたたかさというのが、これから本当に大きな魅力になるのではないか」と語った。
南あわじ市は高齢化が進み「高齢化率は36パーセント。日本の平均で20年先の水準」と守本市長。それを踏まえて南あわじ市は「5つの柱」を基本政策に据えている。
『（1）超高齢化の克服』ー高齢者が健康な状態で社会と関わる「生涯活躍社会」を作る。
『（2）子育て環境の向上と教育の充実』ー「ここで子どもを育てたい」と思える場所作り。
『（3）地域資源を活かした産業の活性化』ー産業を観光資源と食材などで結びつけ、人が人を呼ぶまちへ。
『（4）安心安全なまちづくり』ー南海トラフ巨大地震に備え、津波対策の堤防などハード面の整備と、自治会を中心とする災害防災対策。
『（5）対話と行動の行政によるまちづくり』ー地域の力を最大限に活かし、住民主体のまちづくりを行政がサポートしていく。
守本市長は、「住民たちが自ら行動を取ってもらえる環境づくりが、まちづくりの基本」と話した。
最後に守本市長は「11月になると3年とらふぐが出てくる。もちろん、鯛や、意外にも秋に脂が乗る鰆など、おいしいものがたくさんある南あわじ市に、ぜひ来ていただきたい」と締めくくった。
※ラジオ関西『三上公也の朝は恋人』2023年10月11日放送回より
