兵庫県の斎藤元彦知事が12日、ラジオ関西の生番組に出演し、成立したばかりの9月補正予算について説明した。着用が努力義務化された自転車のヘルメットの購入に補助金を出す制度を新設したほか、児童虐待を繰り返さないよう警察と県こども家庭センター間の情報共有をさらに進めるなど、県民の安全に配慮し安心を確保する政策に重点を置いている。補正予算は総額約90億円で、10月の兵庫県議会で可決された。
自転車のヘルメット着用は道路交通法が改正されて今年4月からスタートしたが、兵庫県の着用率は全国平均の半分以下の6.2%にとどまっている。自転車事故の死亡者は高齢者の割合が非常に高いことから、ヘルメットの購入に補助金を給付することにした。
対象は、県内に住む65歳以上の高齢者、18歳までの子どもを育てる世帯、大学生や専門学生ら。10月3日以降に購入した人に対して、1人最大で4000円を補助する。申請の開始は12月を予定しており、斎藤知事は「高齢者の着用はまだ少ない。これを機に購入していただきたい」と呼びかけている。
また、今年6月に神戸市西区で痛ましい児童虐待事件が起きたことを受け、兵庫県警と県こども家庭センターがリアルタイムで情報を共有できるシステムを構築する。これまでは月に1回情報を共有していたが、事態が急変した場合に対応できない課題があったことから、知事は「早めに対応する仕組みづくりが大切だ」と述べた。
補正予算ではこのほか、台風7号で大きな被害を受けた但馬地域の早期再建や被災者の生活支援に対して約54億円を投じる。