「品行を悪く、品性を良く」 作家・畠山健二が小説に込める“裏テーマ” 全国の書店に足を運んだ経験 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

「品行を悪く、品性を良く」 作家・畠山健二が小説に込める“裏テーマ” 全国の書店に足を運んだ経験

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 シリーズ累計200万部を突破したシリーズ『本所おけら長屋』(PHP文芸文庫)などを執筆した作家の畠山健二さんがラジオ番組に出演。これまでの人生で感じた「継続することの大切さ」と、小説に込められた裏テーマについて語りました。

作家・畠山健二さん

 25歳のころ、実家の鉄鋼会社で働いていた畠山さん。鉄を切り続ける毎日に、「これで俺の人生は終わってしまうのか」と疑問を抱いていたのだそう。そんなある日、小説家には特別な資格は必要でないことを知り、3年連続で新人賞に応募したといいます。しかし、どの作品も二次先行で落選。一時は小説家になる夢をあきらめたものの、その後に書くようになった漫才の台本がNHKの漫才コンクールで最優秀賞を受賞しました。以降、お笑い作家・コラムニストとしてキャリアを積み、50歳を過ぎてから再び小説を書くようになりました。

 IT化が進む時代でありながらあえてアナログな方法を選び、本を置いてもらえるよう、全国の書店に自ら足を運んで依頼してきた畠山さん。全国行脚は10年もの長きにわたり、訪れた書店の数は約1000店にものぼるといいます。

 畠山さん持ち前の粘り強さが成功に導いたようで、ある書店では4年にわたる努力の末、ようやく店長との面談が実現。「その瞬間は涙ぐんでしまうほどの感動だった」と語り、「継続することの大切さ」を改めて強調しました。

 累計200万部を突破した小説『本所おけら長屋』は、特に年齢層の高い女性読者から支持を受けているのだそう。畠山さんの小説は、落語テイストの人情話が中心。会話を多くして難解な表現や長い説明を避け、すぐに物語が始まるように工夫していることを明かしました。

 同小説には、「品行を悪く、品性を良く」という裏テーマが込められているといいます。畠山さんによると、「品行が悪い」というのは「酒を飲みすぎる」「浮気をする」などの日常の行動を指し、一方の「品性が悪い」は「人をだます」「他人の功績を横取りする」などの行為を意味するとのこと。「友人としておもしろい人は、たとえ品行が悪くても品性が良い人」だと述べたうえで、「品性を大切にすることで社会がより良くなる」という持論を展開しました。

 畠山さんの座右の銘は「人の言ってることは信じない。やってることを信じろ」。若い人に向けて、「言ってることは信じちゃだめだよ。その人がやってることを見て、その人を信じろ」というメッセージを送りました。

作家・畠山健二さん(写真中央)、『セケンテー/ぼくらは囚われない』パーソナリティーのCEOセオ(同右)と田中大貴(同左)

※ラジオ関西『セケンテー/ぼくらは囚われない』2023年9月23日放送回より






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『セケンテー/ぼくらは囚われない』
放送日時:毎週土曜日 20:00~
放送局:ラジオ関西(AM 558KHz / FM 91.1MHz)
連続起業家兼アーティストのCEOセオとフリーアナウンサー田中大貴がパーソナリティーを務める。


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