神戸どうぶつ王国で、10年に一度しか咲かないとされる花「皇帝アナナス」が咲き始めた。
「皇帝アナナス」は、別名を「アルカンタレア・インぺリアリス “ルブラ”」という。南米ブラジル原産のアナナスの仲間。パイナップル科のなかでも最大級の大きさになる品種で、直径2メートル近くまで育ち、皇帝の名にふさわしい姿になる。ルブラは「赤色」を意味する。
1~2mの花茎が直立した状態となり、優しいクリーム色の花が次々に咲く。現在咲いている花が咲き終わると、この株は枯れてしまうが、そのころには根元から新しい小さな株が出てくる。引き継がれた新しい株が育ち、次の開花まで約8~10年かかる。
最初に「皇帝アナナス」の開花が確認されたのは10月17日。この日、神戸の最低気温は17.2度と、前週よりも肌寒くなった(神戸地方気象台による・午前5時41分)。
神戸どうぶつ王国によると、植物担当スタッフも咲いているのを見たのは初めて。前身の「神戸花鳥園(~2013年)」時代に皇帝アナナスの株を搬入した。大半の植物担当スタッフは花鳥園時代から変わっていないが、それから一度も咲いたことがなかったという。
1か月前に比べると背丈も大きくなり、花は現在も咲き続けているが、ツボミもあるため、しばらくは見ごろだという。広報担当者は「植物も生きもの。気温の変化が大きい時期ですから、お早めにご覧いただけたら」と話す。
10月後半、”この秋一番の寒い朝”を迎える季節に、南米ブラジル産の花が咲く神戸どうぶつ王国。皇帝アナナスを展示している「ウォーターリリーズ」というエリアでは、熱帯性のスイレンも楽しめる。
神戸どうぶつ王国の開園時間は、午前10時~午後5時。木曜定休。