古代の生活に触れ、そこにあった文化や人々に思いをはせるイベント『大中遺跡まつり』が11月4日(土)、大中遺跡公園(兵庫県加古郡播磨町)で開かれます。31回目となる今年のテーマは「復活」。コロナ禍により昨年まで中止していた飲食ブースを再開するなど、4年ぶりに従来の規模での開催となります。
まつりでは、弥生時代の装束「貫頭衣」に身を包んだ60人の人々が会場を練り歩き、弥生時代後期から古墳時代にかけての様子を再現する「古代行列」や、高さ3メートルのジャンボサイズの“まいぎり”(舞ぎり=木の摩擦熱で火種を作る道具)による迫力ある「火起しの儀」など、いにしえの暮らしをほうふつとさせる“儀式”が繰り広げられます。
また、会場に隣接する兵庫県立考古博物館をはじめとする、県内外の博物館や資料館など27団体がブースを出展。石斧での丸木舟制作、ミニ三角縁神獣鏡の鋳造、軒丸瓦や木包丁作り、勾玉作り、木簡に字を書くなどの多彩な古代体験を提供します。
特設ステージでは「古代ダンス」や獅子舞が披露されるほか、地元出身で、播磨町ふるさとPR大使のタレント、レイザーラモンHGさんと民謡歌手の岡部祐希さんも登場します。
当日は『ふるさと東はりま魅力発見市』を同時開催。「玉子焼(明石焼)」(明石市)や「かつめし」(加古川市)、「にくてん」(高砂市)といった東播磨3市2町のグルメ、播磨地域を中心に親しまれている「えきそば」(姫路市)などの飲食ブースとともに、キッチンカーも並びます。県立農業高校などによる農産物や食品、雑貨などの販売も予定されています。
このたび、ラジオ番組で同まつりを紹介した播磨町協働推進課の藤川さんは、「皆さんが思い浮かべる古代の暮らしのイメージ。他とは全然違うおまつりになっています」と話し、番組出演者からは「さまざまな発信を見ていると、大中遺跡まつりは、古代人が舞い降りてきたような楽しそうな写真が何枚もアップされる」との声も挙がりました。
なお、まつりの象徴である大中遺跡は、弥生時代の終わりから、卑弥呼がいた邪馬台国と同時期の古墳時代初期にかけての大規模な集落跡で、1962(昭和37)年、近くの中学校の生徒3人によって発見。県立史跡公園として整備され、1974(昭和49)年、「大中遺跡公園」が開園しました。
兵庫県立考古博物館の岡本一秀学習支援課長も「県内外の団体が自慢の体験ブースを出展します。ぜひ体験しに来てください」と呼び掛けました。
(取材・文=青木理子)
◆「第31回 大中遺跡まつり」
日時:2023年11月4日(土)9:00~16:00(体験ブースは10:00~15:00)
場所:大中遺跡公園、播磨町郷土資料館、兵庫県立考古博物館(兵庫県加古郡播磨町大中1-1-1)
ブースやコーナーに関する問い合わせ先:電話079-423-0434
※小雨決行、雨天中止。