Z世代には当たり前の「カメラ加工アプリ」。その性能は年々進化しており、今では写真を元にイラスト化できる技術や別人になれる「AI加工」が流行しています。
そのような中、一つ挙げられるのが写真編集アプリの「EPIK」。スマホアプリが購入できる「APP Store」では、カテゴリ「写真/ビデオ」内で12位を獲得するほど。特に写真を元に90年代のアメリカ学生風にAI加工できる「AIイヤーブック」というモードは、X(旧Twitter)での評価を見ると10~20代の高い評価を獲得しています。全世界で注目されるアプリのスマッシュヒットの理由などについて、開発元のSNOW Japan株式会社に話を聞きました。
――EPIK開発のきっかけを教えてください。
「AIアバター」を開発したことがきっかけです。「AIアバター」とは、ユーザーがアップロードした自身の写真をもとに“似た顔”を生成するというものです。それらを「AIプロフィール」というサービスで展開したのですが、こちらがアジア中心にヒットとなりました。一方、「EPIK」は欧米向けに開発したサービスとなります。
――「90年代のアメリカ学生風」というコンセプトがおもしろいですね。なぜそのように?
世界的に「Y2Kブーム」が到来していたこともあり、90年代アメリカの学生風ファッションをコンセプトにしました。実際にその時を過ごしていない若者にも「今の時代にはない、ある意味新鮮なスタイル」との声が。リアル90年代層からは「懐かしい!」と言われます。
――流行したきっかけは何だったのでしょう?
アメリカ向けにコンテンツ開発したため、アメリカ国内の有名人やインフルエンサーがインスタグラムやティックトックで拡散してくれました。また、韓国の芸能人が拡散したのもきっかけの一つです。日本では、ある方がお笑い芸人・ロバートの秋山さんの「AIブックイヤー」をエックスに投稿したことで様々な人に影響を与えたように感じます。2021年コロナ禍に誕生したサービスですが、2年経過した今もなお全世界で多く利用されています。とくにアメリカから「新しいけど懐かしい!」と共感を得ています。ほかにフランス、ドイツなどのヨーロッパ圏でも注目されているそうです。
――実際、ユーザーからの反応はどうですか?
「髪型やファッションを参考にしたい」という若い世代から支持されている印象。「普段することのないスタイルばかりなので、似合う似合わないという基準が明確になってありがたい」なんていう声も。「映画出てきそう」「セレブっぽい」など“大喜利要素”をはらんだおもしろさもあるかと。
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日々進化する「カメラ加工アプリ」。AI技術と融合させることで、新しい自分をみつけられるきっかけになるのかもしれません。
(取材・文=弘松メイ)
※ラジオ関西『Clip』2023年11月16日放送回より