サッカー・J1のヴィッセル神戸で、昨夏からクラブスポンサーになった会社の名物社長がいま、サポーターからの大きな支持を集めています。
ヴィッセルのオフィシャルトップスポンサーで、コンタクトレンズ通販サイト「レンズアップル」を運営する株式会社パレンテ(本社:千葉市中央区)の代表取締役・吉田忠史さん。“コンタクト社長”として、ヴィッセルサポーターにはおなじみの存在です。その吉田さんが、ラジオ番組でヴィッセルをサポートする思いを明かしました。
吉田さんが率いるレンズアップルがヴィッセルのスポンサーになったのは、昨年6月のことでした。
「(現)副社長の徳山さんと、もともと楽天のカンファレンスでお会いして、熱烈にオファーをいただいて、足しげく千葉(の会社)に通っていただいた。時は昨年で、順位が非常に悪かったときだったが、『こういうことが楽天でできます! ヴィッセルでできます! ぜひヴィッセルを応援してください! 一致団結してやっていきたいんです!』と営業の方からのオファーもいただいたので、『よし! やるか!』となった」
ただ、当時のクラブはJ1で最下位と低迷。そのなかで、練習着の胸スポンサーにもなるなど、多大な支援を行うというのは、会社によっては難色を示すところも多いはず。それでも、吉田さんは、スポンサー就任を「あまり悩んでいなかったのが正直なところ」といいます。
千葉では、プロバスケットボール「Bリーグ」千葉ジェッツのオフィシャルパートナーでもあり、プロスポーツクラブをサポートする実績も持っていた同社。ヴィッセルのホームゲームでは、“見えるをもっと楽しく”をテーマにした特別観戦シート「レンズアップル 見えるシート」にサポーターを招待したり、応援フラッグやファンクラブ向け来場者プレゼントにも協賛するなど、積極的に行動を起こします。
さらに、この6月から9月まで神戸市営地下鉄海岸線車内に、パレンテのオリジナルブランド「WAVE」とヴィッセルがコラボレーションした交通広告を掲示。主力選手が掲載された広告を廃棄せず、ファン・サポーターにオリジナルグッズとして販売し、その売り上げをクラブの育成組織(アカデミー)に寄付するという「スポーツチーム循環型広告」にも取り組んでいます。
ホームゲームのときには千葉から神戸へ駆け付けるだけでなく、場合によってはアウェイゲームにも登場する吉田さん。同社の先頭に立ってヴィッセルを熱烈支援する姿は、サポーターの心もつかみました。スタジアム外などでサポーターに写真撮影を求められる様子もよく目にします。
「現地に行かないとわからないことが、スポーツ観戦の楽しみのなかにあると思う。試合時間だけでなく、前後も含めてヴィッセル神戸(のホームゲーム)と思っているので、そういう点では、自分がまず(現場に)飛び込むこと。『レンズアップル』という屋号、サービスを知ってもらうため、大事なヴィッセルの(練習着の)胸につけていますので、私がまずファンにならなければならないと思った。そのために、まず会場に行くこと、神戸のグルメだったり街を知ることだと思いますので」と、アクティブな行動力の理由を明かした吉田さん。
「自分が楽しんでいたら、やっぱり周りが楽しんでくれるようになってきた。サポーター(というカテゴリー)に、スポンサーもサポーターもへだたりはないと思っているので、行くときは全力で応援して、全力で悔しがって、全力で楽しんで、帰ってくる」と、全力応援の思いを語りました。
そんな同社や“コンタクト社長”の熱意もあってか、チームは昨夏から劇的に調子を回復し、昨シーズンは苦しいJ1残留争いを勝ち抜くと、今シーズンは開幕3連勝と勢いづき、残り2試合というところで首位。悲願のJ1制覇が目前に迫ってきました。まさに勝運を持つスポンサーと言えるかもしれません。しかし、吉田さんは、「我々はたまたま去年から始まったスポンサーですが、神戸はチームを29年間支えられている先輩スポンサーがいらっしゃいますので、たまたまご縁がよかった」とコメント。普段はヴィッセルのスポンサーのバッグを使うなど、他のスポンサーへのリスペクトも欠かさず。そんな姿勢も、サポーターの好評価につながっていると言えるでしょう。
ちなみに、吉田さんの推しの選手は、「今は武藤選手。ヴィッセルに関わったとき、最初に武藤選手と井上潮音選手(現、横浜FC)に記者会見に出ていただいた、ファーストのご縁があるので」と述べつつ、「スポンサーという立場からは“箱(チーム)推し”と言わせていただきたい!」と強調していました。
「ヴィッセルが盛り上がる、選手が盛り上がる、神戸が盛り上がるというところで、地域が盛り上がって、人生の楽しみが増えてくると、レンズアップルでコンタクトを買おうかなと思う人が少しでも増えて、つながりができるといいなと思っている」と吉田さん。ラジオ番組の最後、告知を求められた際も、「私のエンディングより、(ホーム最終戦の)名古屋戦、圧倒的ホーム感を持って、優勝に向かって選手、チームを迎えたいと思いますので、ぜひ頑張っていきましょう! よろしくお願いします!」と、熱烈なヴィッセル愛を見せていました。