宝塚歌劇団・宙組(そらぐみ)の劇団員の女性(25)が9月に急死した問題で、遺族側の代理人弁護士が27日、歌劇団と運営本体の阪急電鉄と面談し、歌劇団側が「パワハラが否定されたまま、合意解決することはありえない」と主張したことを明らかにした。
遺族側は、女性が死亡した原因に上級生(先輩劇団員)によるパワーハラスメントがあったと主張しており、歌劇団側にパワハラを認めるよう求めた。そして、調査報告書に反論する書面や証拠を提出し、引き続き交渉を続けるという。
代理人弁護士によると、面談で歌劇団側は、「調査報告書がパワハラの事実を認定していないため、特定のパワハラの存在を認めていない」というスタンスだと指摘。そして「拘泥(こうでい/こだわること)することなく、遺族の主張を真摯に受け止め、引き続き協議したい」としているという。次回の面談は12月後半に行われる予定。
遺族側はこのほか、西宮労働基準監督署(兵庫県西宮市)が11月、歌劇団に立ち入り調査した件について、「女性が(入団後5年までの)雇用契約を結んでいた時期(2021年)に稽古時間が法定労働時間を大きく超え、賃金明細書の時間外労働手当はわずかだった。月にゼロという時も少なくない」などと述べ、労基署には法令に基づく適切な調査と措置が求められているとした。