11月23日に開催された、阪神タイガースとオリックス・バファローズの優勝記念パレード。関西のチームが同時にセパ両リーグを制覇したのは59年ぶりということで、その歴史的な快挙を祝福しようと多くのファンが詰め掛けたのは、記憶に新しいところです。
同パレードは、兵庫・大阪の2都市で初めて同時開催されました。兵庫・神戸会場は、三宮の東遊園地前からフラワーロードを通り、三宮中央通り、鯉川筋を経てメリケンパークをゴールとする約2キロでした。午前11時から阪神タイガース、その後午後2時からはオリックス・バファローズが登場。選手や監督らを一目見ようと計約45万人の観客が集まりました。
優勝パレードセレモニーでセレモニーの進行を担当したラジオ関西の春名優輝アナウンサーは、当日の神戸会場の様子について、パレード開始1時間前に到着した際には既に熱気に溢れており、現場まで人ごみを縫って行ったと話しました。それもそのはず、始発電車で朝5時頃に到着したいう気合いの入ったファンもいたとのことです。
パレードは、赤いバス3台に監督やコーチ、選手が分かれて乗り込み、人が歩くくらいのスピードでゆっくりと進んでいきました。球団グッズや選手名入りのタオルを高く掲げる人、ユニフォームを着た人が多くいる中で、選手とのコミュニケーションを図るべく工夫をしているファンの姿も見られました。たとえば「3秒見つめて!」「じゃんけんしよう!」などと書いたパネルを選手に見せてアピール。まるでアイドルを応援するように、推しの選手に思い思いのメッセージを届けようとするファンが大勢いました。
阪神ファンからは大きな声で、そしてオリックスファンからは控えめながらも熱い応援が響いていた印象も受けたパレード会場。両球団ともに多かったのは「ありがとう!」という声でした。春名アナは「ファンも一緒に戦っているんだなと感じた」といいます。
一方、選手もリラックス。普段球場ではポーカーフェイスの人も、この日はニコニコと笑顔を見せました。選手の様子からは、地元という一番近い場所でファンに感謝を伝えられることへの喜びが伺えました。
阪神タイガースは18年ぶりのセ・リーグ優勝、オリックス・バファローズはパ・リーグ3連覇と、どちらも野球ファンにとって注目度の高かった今シーズン。優勝パレードに沸いた兵庫・神戸でした。
(取材・文=市岡千枝)