2023年の星空、年末を彩るのは三大流星群のひとつ・ふたご座流星群。今年は月明かりの影響もなく好条件です。明石市立天文科学館によると、「15日未明が最も多いと予想されています」。
ふたご座流星群は15日の午前4時ごろ極大(活動が最も活発)になることが予想されています。その前後、13日の夜から15日の夜の3夜が観測のチャンスで、午後9時頃から翌朝の5時頃まで、多くの流星が見られそうです。
中でも14日夜から15日明け方がピークで、空が暗く広く見渡せる場所では、14日午後9時頃には1時間あたり30個、放射点が空の高い所に昇る15日午前0時から3時ごろには1時間あたり70個に達する可能性があると予想されており、その数はここ数年では最も多くなっています。空の暗い所では、極大の前日・13日夜から14日明け方は、10個から25個程度、極大の翌日にあたる15日夜から16日明け方は15個から20個程度の流星が見えると予想されています。
市街地のような人工の灯りが多い場所では、見える数は予想される出現数の数分の一にも満たない可能性もありますが、できるだけ暗い場所を選び、例えば目に入る街灯などの灯りを手で遮るなど少し工夫をすれば、見える確率は上がるということです。
そして、見るための工夫としては、目が暗さに慣れるまで、最低でも15分は待つ。道具は必要ありませんが寒さ対策が必要です。どこか1点を見つめるのではなく、放射点辺りの空、15日の午前1時ごろはほぼ天頂をふわっと眺めるといいとのこと。そうすれば見えるかも?しれません。
流星群の観察にとって、月明かりは少し「悪役」となってしまいますが、12月も美しい姿を見せてくれ、惑星との「接近競演」が楽しめそうです。
17日から18日には、月が土星に接近します。0.9等の明るさの土星は、月がそばにあっても目立つはず。夕方、空が暗くなった頃、高い空に見える2つの天体が楽しめそうです。
そのあと、22日には月と木星が接近。夕方の空が暗くなりかけた頃、南東の空で輝いています。肉眼で観察するのは難しいですが、双眼鏡などを使うと時間が経つにつれて月と木星の間隔が近づいているのがわかるかもしれません。最も近づくのは近畿地方では午後9時45分ごろと予想されています。
そして12日には「小惑星によるベテルギウス食」が起こります。太陽の20倍の質量があると言われているオリオン座の赤い超巨星ベテルギウス。その前を小惑星が横切るのです。日本では見ることはできず、ヨーロッパや北アメリカなどの一部の地域に限定されますが、「金環となるのでは」などファンの間で話題となっています。
2023年も残りわずか。2024年もいい条件で星を観察できるよう、流星に願いたいものです。2024年1月4日には、しぶんぎ座流星群が極大を迎えると予想されています。見られるようふたご座流星群にお願いするのもいいかも?