定位置は、ママの背中です―。ミナミコアリクイのお母さんが生後1か月あまりの赤ちゃんをおぶって子育てしているほほえましい姿を「神戸どうぶつ王国」(神戸市中央区)が公開している。親子の仲睦まじい様子に、訪れた入場者からは「一生懸命、ママにしがみついているのがいじらしい」「どんな体勢になっても落ちないのがすごい」「お母さん、お疲れさまです」などと声が上がっている。
赤ちゃんは11月1日生まれの雄で、13日現在で1385グラム。生後すぐから母「こはる」の背中に乗り、一日を過ごしている。ミナミコアリクイの赤ちゃんが母の背に乗るのは、外敵に見つかりにくくするための習性とみられる。赤ちゃんがお母さんの背中から下りて、自分だけで活動し始めるのは早ければ生後2か月くらいからで、飼育担当の西中高志さんは「今だけの愛らしい親子の姿を見に来てください」と呼び掛けている。
こはるは6歳で、出産3回目のベテランママ。だが赤ちゃんを巣箱の中に置いて散歩に出掛けるなど「マイペース放任主義」な面もあるという。西中さんによると、赤ちゃんも「おっとりした性格」で、「もしかしたらお母さんの背中で過ごす期間が長くなるかもしれない」と話す。
こはるの食事は、冷凍アリやヨーグルトのほか、鶏肉やアボカドをミキサーでやわらかくしたものなど。赤ちゃんは今のところ授乳だけだが、母の食べ物に興味を示し始めると徐々に離乳していくという。
ミナミコアリクイは南アメリカ北部などに分布。黒いベストを着たような体の模様が特徴的で、大きな爪でアリ塚を壊したり、丈夫な尾を使って木に登るなどする。野生ではアリやシロアリなどを食べる。約1年で成熟する。
親子は園内のコンタクトアニマルズ(北エリア)「ミナミコアリクイ親子展示場」で公開。午前10時~午後1時、午後2時~5時。問い合わせは同園078-302-8899。