女子サッカー・WEリーグのINAC神戸レオネッサは、23日に行われた「2023-24 WEリーグ」第6節で、セレッソ大阪ヤンマーレディースに3-1と勝利し、年内最後の公式戦を白星で締めくくりました。この一戦を、なでしこジャパンOGがラジオ番組で振り返りました。
WEリーグ初の関西ダービーで、INAC神戸は、前半、DF小山史乃観選手の古巣への恩返し弾でセレッソに先手を取られました。それでも、後半、ホームのサポーターの後押しを受けて反撃すると、61分にDF竹重杏歌理選手のループシュートが相手GKのハンブルを誘って同点に追い付きます。その6分後には、左DF北川ひかる選手が右足でゴール前にボールを送り込むと、そのままゴールに吸い込まれ、逆転に成功。終了間際の90+1分にはFW高瀬愛実選手(※「高」=はしごだか)が自ら得たPKを決めてダメ押し。ノエビアスタジアム神戸に集った2110人の観衆の前で、INAC神戸がWEリーグ先輩としての貫禄を見せつける結果となりました。
配信中継で解説を担当していた元なでしこジャパンDF川上直子氏が、25日放送のラジオ番組『カンピオーネ!レオネッサ!!』(ラジオ関西)で選んだこの試合のMIPは、後半から出場した高瀬選手。竹重選手や北川選手のゴールにも積極的に詰めて相手GKにプレッシャーを与えれば、最後にはPKも落ち着いて決めるなど、この日、3得点に絡む活躍を披露していました。
川上氏は、「田中美南選手が2~3人に囲まれたなかでも、(高瀬が)いいボールの受けどころになっていたり、いいポイントになっていた」と、ゴールに絡むプレー以外のところでの役割にも注目。今シーズンは第2節以降、スーパーサブとして途中出場が続いていますが、「出場して『ハズレ』がない(いつも活躍できる)選手。監督としては計算できる選手だと思う」と、2009年からINAC神戸一筋、屈強なフィジカルとキープ力を持つ経験豊富なストライカーを称えていました。
また、この試合では、INAC神戸の正守護神、なでしこジャパンGK山下杏也加選手が3試合ぶりに復帰。前半には相手のPKを抜群の反応でストップするなど、存在感を大いに発揮していました。さらに、けがで長期離脱を強いられていたDF井手ひなた選手が終盤の86分から途中出場し、約8か月ぶりの公式戦復帰を果たしました。井手選手は自身のSNSで「約8か月ぶりのピッチ、やっとスタートラインに立てました。この8か月間ずっと復帰を待ってくださっていた方々のおかげで、この日を迎えることができました。ここからまたチームの勝利に貢献できるように、支えてくれた方々に恩返しできるように全力を尽くします」と、復帰の感想を述べていました。
これで勝点を14に伸ばしたINAC神戸は、リーグ戦では今シーズン初めて単独首位に立ちました。年明け最初の試合となるWEリーグ第7節では、1月8日(月・祝)に、日テレ・東京ヴェルディベレーザと味の素フィールド西が丘で対戦します。
●INAC神戸、新卒4選手の加入内定
INAC神戸は22日、2023-24シーズンの新戦力として早稲田大学MF三谷和華奈選手と、藤枝順心高校の3選手(FW久保田真生選手、FW辻澤亜唯選手、GK菊地優杏選手)の加入内定を発表。25日に藤枝順心高校で行われた記者会見では同校トリオが活躍を誓っていました。
●INAC神戸テゾーロ、初のファイナル進出
INAC神戸のアカデミーの1つ、中学生年代(U-15)を対象としたINAC神戸テゾーロが、「高円宮妃杯 JFA第28回全日本U-15女子サッカー選手権大会」で決勝進出を果たしました。決勝ではJFAアカデミー福島に0-2と惜敗し、初優勝はなりませんでしたが、今後に向けて価値ある準優勝となりました。