今やすっかり定着した「推し活」文化。キャラクターやアイドルなど「推し」の種類はさまざまであるのと同様、その「推し方」も人によって多種多様です。仏壇・仏具の販売をおこなう『株式会社はせがわ』では推しのための祭壇、“推し壇”を販売。SNSでは「これで毎日拝める」などかなり話題に。本来、仏壇・仏具の老舗企業である同社がなぜ推し活グッズを開発したのか理由を聞きました。
――「推し壇」が誕生したきっかけを教えてください。
社内公募で当時入社2年目の社員が提案した企画商品になります。発案者自身も元々アニメが好きで「推し活」を楽しんでいたそうで、推しを大事なところに飾っていたという経験もあり企画に至りました。弊社は「心の平和と生きる力を自らと人々が実現することを私たちの使命にします」という経営理念があります。大切な方を想うのは心の平和につながる……というのは「推し活」も一緒ではないかと、熱量あるプレゼンに納得し商品化が実現しました。
――企画が進み始めたとき、社内での反応はどのようなものでしたか?
普段はお仏壇などの販売をおこなっている会社ですので驚きの声はありましたが、反対意見はありませんでした。おそらく経営理念に一致していたからだと思います。
――販売後、カスタマーの反応はどうですか?
SNSでは「待ってました!!」という声が多いです。キャラグッズを扱う他社様からは近いコンセプトの商品がすでに販売されていたそうなのですが、仏具を販売している弊社が推しグッズを開発したギャップに驚いていただいている様子です。販売後、かなりの好反応で即増産しました。購入層は10~20代がメインですね。
――購入者はどのような使い方をしているのでしょうか?
アニメゲームのアクリルスタンドやぬいぐるみ、DVDや本を飾って活用していただいています。中には、お手製の小型賽銭箱と一緒に飾っている方や3個の推し壇をドッキングさせて楽しんでいる方もいらっしゃいます。祭壇下のLEDが20色に光ったり屋根の高さが4段階に調節可能なので、推しのアクリルスタンドやぬいぐるみのカラー、大きさに合わせることが可能です。
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『推しのための祈りのステージ』と銘打って販売されている同商品。国産ヒノキ材が使用されており、本物の祭壇さながらのクオリティです。「祈り」によって楽しむ推し活、もしかしたら推し活文化の原点であり頂点かもしれません。
(取材・文=弘松メイ)
※ラジオ関西『Clip』2024年1月11日放送回より