華道家元・池坊の稽古始め「初生け式」が5日、京都市中京区の家元道場などで開かれた。「初生け式」は、華道各流派で最も長い歴史があるとされる池坊の新春の恒例行事。室町時代から続いている。
(※記事中画像提供:華道家元・池坊)
今年(2024年)は、全国から門弟約750人が集まった。このうち石川・富山両県から参加予定だった約20人は、能登半島地震の影響で欠席した。
門弟の一部は、まず華道発祥の地とされる六角堂頂法寺で上達を祈願し、振り袖や羽織袴姿の男女34人が一斉に花を生けた。池坊専好・次期家元が門弟らに直接声をかけ、指導した。
この日、京都五花街の一つ、先斗町(ぽんとちょう)の舞妓・市琴(いちこと)さん(19)も門弟として参加。松や南天、葉牡丹といった初春を感じる花材を使い、丁寧に生けた。
池坊専好・次期家元も、自らも松、梅、バラを用いて初生けを披露した。
今年のテーマは「希望」。日頃から、花が持つ「強さとしなやかさ」を感じてほしいと話す専好氏は、今年の初生けについて、「どのような厳しい状況でも、懸命に耐え生きていこうとする草木の姿から多くの方々が希望を感じていただけたら」とコメントした。
池坊専好氏は2023年12月、大阪・関西万博を運営する2025年日本国際博覧会協会の副会長に就任した。これまでにも博覧会協会・理事と、大阪・関西万博催事検討会議で大﨑洋氏(吉本興業ホールディングス・前会長)とともに、共同座長を務めている。