インフルエンザをはじめ溶連菌・咽頭結膜熱・ヘルパンギーナやプール熱など、主に子どもがかかりやすい感染症の流行が続いています。発熱などの症状が出た場合には、まず小児科へ行き診察を受けることとなりますが筆者には一つの疑問があります。それは「小児科で診て貰えるのは何歳まで?」ということ。中学生までは“小児科”、高校生からは“内科”というイメージを抱いているのですが……。日本小児科学会に話を聞きました。
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そもそも小児科と内科の違いは何なのでしょうか。日本小児科学会によると「子ども特有のかかりやすい疾患や飲める薬の種類が大人とは違うため、子どもは小児科で診察を受けてもらった方が良い」とのこと。その上で、小児科の対象年齢について「小児科医は子ども達が成人するまで見守る」という啓蒙活動を2007年から開始。その際、「小児科が診療する対象年齢を現在の『中学生まで』から『成人するまで』に引き上げる」「これまで通院していた15〜20歳の方はもちろん、これまでに小児科に通院していなかった15歳〜20歳の方もどうぞ気軽に小児科医にご相談下さい。小児科医は積極的に診察して参ります」と提言しています。
「中学生まで、としていた対象年齢もあくまで慣習的にそう思われていただけ。これまでも特に“何歳まで”という定義はありませんでした。生まれた時から見守ってきた小児科医が継続して診るのは自然なことであり、また必要なことでもあります」(日本小児科学会)
子どもから親へ病気がうつってしまった場合、子どもと一緒に小児科で診察してもらうことは可能なのでしょうか。
「大きな病院なのかクリニックなのか、診察を受ける医療機関によりケースは変わってきます。ですが“小児科医は大人を診られない”というわけではないので、『どうしても』という場合は相談したうえで可能なケースもあるとは思います。とはいえ、大人はその病気に合った専門の医師に診てもらうのが望ましいですね」(日本小児科学会)
実際の現場はどうなのでしょうか。兵庫医科大学の小児科医・服部益治さんは「大人と子どもを一緒に見ることはよくあります」としつつ、「その病院の種類によって何歳まで診るのかも対応は違います」と指摘。また、病院の種類だけでなく地域差によっても「対応についての判断は分かれることがあります」とのことでした。